テアトロ・リリコでバレエ

テアトロ・リリコでバレエ

【2023年3月】バレエの話題が続きます。

3月には、イタリアはミラノにあるテアトロ・リリコで「Giulietta e Romeo」を見ました

イタリア、ミラノのテアトロ・リリコで見たGiulietta e Romeoのポスター
劇場の外のポスター

この劇場は初めてです。

地下鉄で行くと、黄色いライン(M3)でドゥオーモ駅の次にあるミッソーリという駅の近所

その昔、イタリア語を習っていたころ(ものになりませんでしたが)、ミッソーリ駅を使っていたのですが、劇場があることは全く知りませんでした。

スカラ座などとは違って、あまり目立たたない入口だからでしょうか。

と思って調べてみたら、1998年にいったん閉まって、原型を保って再オープンしたのは2021年のことだそうです。

私が歩いていたころは改装中だったのですね。

劇場そのものは近代的なデザインで、ムッソリーニ時代の建物かなと思ったのですが、歴史は長く、1779年にTeatro alla Canobbiana としてオープンしたとのこと。

当初は、世界的に有名なスカラ座と肩を並べる存在で、スカラ座が貴族向けだったのに対し、こちらは一般大衆を対象にしたオペラハウスだったのだそうです。

19世紀末に事業家の手に渡り、名称がテアトロ・リリコになった後、1926年にミラノ市のものとなりました。

ちなみに、ムッソリーニは、1921年に初期のスピーチ、1944年に最後のスピーチをここでしたのだそうです。

イタリア、ミラノにあるテアトロ・リリコのホール
ムッソリーニ時代の建築を思わせるホールのデザイン

正直、規模も豪華さもスカラ座と同格とはとても言えない普通の劇場でした。

一般大衆向けという伝統を引き継いでいるのか、若い人にも劇場に来てほしいという意図で、募金をしていました。

さて、肝心のバレエですが、「Giulietta e Romeo」というタイトルで分かるように、ロミオとジュリエットの新しいバージョン。

踊ったのは、Balletto di Roma というカンパニーです。

聞いたことのなかったカンパニーですが、伝統的な作品をイタリアの新進監督の下で新しく作り変えた作品を国の内外に紹介するのを目的としたグループらしいです。

で、このロミジュリも、音楽(録音でした)とストーリーはそのままで、踊りはかなりコンテンポラリー風

ジュリエットだけがポワントを履いていました。

イタリア、ミラノのテアトロ・リリコの緞帳
舞台に近い良い席

けっこう、回転の多い振り付けで難しそう。

ダンサーのレベルは高かったと思います。

このバージョンでは、最後、自殺するロミオが死ぬ前に、ジュリエットの目覚めを目撃するというプロットになっていて、かなり奇抜な踊りだったにもかかわらず、うるっときました。

割と舞台に近い良い席だったのですが、一人€44ほど(約6800円)とお手頃。

劇場の情報に目を光らせて、こうした高水準の公演は欠かさず見たいものです。