【2024年12月】イタリアのミラノで、小さくも美しいジェロラモ劇場に行った翌日、今度は、ピッコロ劇場でバレエを観ました。
ミラノの地下鉄駅にランツァという名前の駅があるのですが、駅に着く前に必ず、「ランツァ、ブレラ、ピッコロ・テアトロ」とアナウンスされます。
だから、場所は知っていたのですが、行ったのは初めてです。
ピッコロ(小さい)というからには、小さいのだろうと予想していたのですが、なんのなんの、広々とした近代的な劇場でした。
調べてみたら、「ピッコロ劇場」というのは、ここだけでなく、ミラノ市内に3か所あるのですって。
1947年に、イタリア初の公立劇場として「小さくても高品質の演劇を、広く一般市民に見せる」という理念で設立されたそうです。
それで、「ピッコロ」と呼ばれているとのこと。
私たちが行ったランツァのピッコロ劇場は、3つのうち最大のTeatro Strehler という劇場で、974席あります。
Strehler というのは、ピッコロ劇場の創設者のひとりの名前で、演出家だそうです。
装飾を抑え、視界と響きに重きを置いた機能的な劇場で、ロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホールを小粒にしたようなところ。
前日のジェロラモ劇場のような美しさは全くありませんでした。
入ったところの脇には、劇場の歴史を物語る展示室がありました。
余裕がなかったので、のぞきませんでしたけれど。
ここで観たのは、Scuola di Ballo dell’ Accademia Teatro Scala(スカラ座バレエ学校)によるシンデレラ。
スカラ座バレエ団に入団するための登竜門で、ロベルト・ボッレや、カルラ・フラッチもここ出身だそうです。
学生の発表会という割には本格的で、舞台装置やライトもプロ並み。
プロのダンサーになる子供たちは、こうやって舞台慣れしていくのですね。
皆さん、ティーンエージャーだと思われましたが、とてもお上手。
惜しむらくは、男の子たちの腕力が足りず、リフトがいまいちでした。
失敗はなかったのですが、シンデレラが重くて仕方ない、といった風情でした。
リフトって難しいものなのですね。