【2019年7月】カナダのプリンス・エドワード島は小説「赤毛のアン」の舞台だからこそ、わざわざ足を伸ばしたのでしたが、小説の中ではアヴォンリー村という名になっているアンの家があるキャベンディッシュは、首都のシャーロットタウンからかなり離れたところにあります。
それで私達は、空港からホテルへのタクシーの運転手に、アンの家を含めた島のツアーを頼みました。
運転手のビリーはきっかり約束の12時に迎えに来ました。
ビリーは子だくさんの農家の息子。
お母さんはフレンチ・カナディアンで英語が下手ですが、ビリーはフランス語は話せません。
8歳の頃から、農家の仕事を手伝い、家のすぐ前の小学校を終え、そして家出をしたそうです。
タクシーの運転手になる前はトラックを運転していて、牛を運んでいたとのこと。
そんな人だから、「赤毛のアン」は読んだことないそうです。
車はまず、北へ向かいます。
途中、アパートの建設が進んでいるのが見えました。
ビリーは「プリンス・エドワード島では人口が急増中で、家が足りないのだ」と言っていました。
彼によると、中国人や西インド諸島の人などが大勢、移住してきているという話でした。
島の作物は、芋。
それからムール貝などの養殖。
ただ、ビリー本人は、貝に当たって死にかけたことがあるそうで、今は貝類は全く食べられないそうです。
そんな話を聞きながら、最初に行ったのは、Dalvay by the Sea という歴史的なホテルです。
庭にあった案内板によると、建てられたのは1896年から1899年にかけてで、クィーン・アン・リバイバル・スタイルという様式の建物なのだそうです。
カナダでは、19世紀末から20世紀初めに、住宅として人気を集めた建築様式なのだとか。
中を覗いてみました。
大きな建物ですが、木造なので、威圧的でなく、温かみが感じられます。
ここに、英国の王族のウィリアム王子夫妻が泊ったことがあるのだそうです。
ちなみに、ガイドブックによると、一泊199~379カナダドル(16000円~30000円)でここに泊まれるようです。
ここを出た後、国立公園内に入り、大西洋岸に出ました。
Covehead Lighthouse という可愛らしい古い灯台のある所で写真を撮りました。
今も稼働している灯台です。
広々としたビーチが見渡せたのですが、風が強い中、海に入っている人達がいたのには驚きました。
カーディガンを着る気候で、それほど暑くなかったのですけれどね。
それから、ヤギの乳で石鹸やアイスクリームを作っている店へ。
食べてみたヤギのアイスは、シャーベットのようでした。
その後、風光明媚な漁村をいくつか通り、ゆーっくりと旋回しているという丸い家を見て、「赤毛のアン」の世界に入りました。