【2014年2月】イタリアのトリエステ郊外にあるこの城、海に突き出しているようなこの形は、黒海のクリミア半島にある城、「ツバメの巣」によく似ています。
19世紀半ばにこのミラマーレ城を作ったのは、オーストリア皇帝のフランツ・ヨーゼフ一世の弟、マクシミリアンです。
よほど海が好きだったとみえて、どの部屋の窓からも海が見渡せ、碇をかたどった装飾がよくあるし、部屋の一部は船室のようなつくりになっていました。
マクシミリアンがメキシコの皇帝になって殺されたということは現地で知りましたが、興味がわいたのでウィキペディアで彼の一生をざっと読んでみたところ、かなりリベラルで快活な人柄で、メキシコでも貧しい庶民を救済する政策を採ったようです。
けれど、歴史の成り行きに翻弄され、結果的に悲惨な最期を遂げた悲劇の皇帝。
享年わずか34だそうです。
ベルギーの王女だった奥さんのシャルロッテは、夫が死んだことを認めず、心を病んで亡くなったとのこと。
今、お城を思い浮かべると、雨模様だった空とあいまって、しんみりした気分になります。