【2018年11月】イタリア北部の小さい町、サッビオネータの見どころは全て、午後一時にいったん閉まったので、軽いランチが食べられるカフェのようなところを探しました。
夫が見つけたVaudeville という店が、見た感じ、いかにもイタリアらしいカフェだったので、ハムの盛り合わせ程度の軽いものを食べられそうだと思い、そこに入りました。
ところが、二階に通されてみたら、そこはれっきとしたレストラン。
この日は夜に約束があったので、あまりしっかり食べるわけにいかなかったのが残念なほど、惹かれるメニューがいろいろありました。
ぐっと抑えて、メインとグラスワインだけにしました。
私は、ワインソースの肉料理、夫はレモン味のラビオリ。
とても美味しかったです。
突き出しに少量のサラミ類が出て、これも美味。
明るい雰囲気の内装の中、地元の老夫婦や家族連れなどが、時間をかけてゆっくり食事をしていました。
1時に閉まった見どころは、2時半に再開します。
私達は食後、ドゥカーレ宮殿の裏にあるインコロナータ教会を目指しました。
1586~88年に建てられた8角形の煉瓦造りの建物です。
付随している鐘楼は、1592年のもの。
外観には特に感銘を受けることもなかったのですが、2時半に開いたとたんに中に入ってびっくり。
壁中に窓や彫刻のだまし絵が描かれていて、どれが本物が分からないほどです。
てっぺんに向けて細くなっていて、実物より高く感じさせているようです。
ここで借りた案内書によると、この内装は1768年から、フランチェスコ・ボレッリという建築家によって作り始められたそうですが、1770年、ボレッリは足場から落ちて、ここで亡くなったとのことです。
この教会の一角には、サッビオネータを築いたヴェスパジアーノ・ゴンザーガの霊廟があります。
珍しい大理石が使ってあるそうです。
そのうえに、彼の銅像が立っているのですが、これはレオーネ・レオーニというスペインやオーストリアでも活躍した彫刻家によるもので、1588年に作られました。
案内書によると、ローマにあるマルクス・アウレリウスの騎馬像とゴンザーガ本人を組み合わせたものだとか。
ネットでその騎馬像を探してみたら、確かに、手を伸ばしているポーズが似ているようです。
この教会、ミラノの南東30キロほどの地点にある町、ローディにある15世紀末に建てられた同名の教会がモデルとなっているそうです。
ローディのにも美しいだまし絵があるのかどうか、今度、見に行ってみようと思いました。