リベッチョという風

リベッチョという風

【2022年8月】シチリア島のシラクサでの夏休み、この日は周辺を巡るボートトリップに参加しました。

午後3時の予約で、行ってみたら、何と参加者は私達二人だけ。

シラクサのボートトリップで乗ったボート
この船で巡る

定員は20人なのに。

これで一人€30(4400円)は割安です。

もう8月も終わりに近く、旅行客も減っている中、こうしたボートトリップは数社が競合しているようでしたからね。

まずはオルティージャ島の港内をのんびり進みます。

良い天気で気持ちよく、悠々と港内の船の写真などを撮っていました。

シラクサのボートトリップで見た港内の帆船
港内をのんびり進む

ところが、外海に出ると様子ががらっと変わりました。

シチリア島側の切り立った崖と岩のフォーメーションを見せてくれるのですが、見た目よりも風が強くて船が揺れるのです。

それでも最初の方はまだ、カメラを構える余裕があり、数枚、写真が撮れました。

船は、崖にできた洞窟の中に入りました。

シラクサのボートトリップで入った洞窟
洞窟内の岩

これで、海の底が真っ白だったら、水が真っ青に見えて、さながら「青の洞窟」なのでしょうが、それほどでもないので、「緑の洞窟」でした。

それでも水がきれいなのがよく分かりました。

ごつごつした岩が迫ってくるのは面白かったです。

洞窟は2か所に入り、その後、船頭さんは、入口がハート型に見える洞窟を指さしました。

シラクサのボートトリップで見たハート型の洞窟
見ようによってはハート型

確かに見ようと思えばハートにも見えますが・・・。

それからの船の揺れが尋常ではありませんでした。

ゆらゆらした揺れではく、波にガツンガツンとぶつかるのです。

ぐっしょり濡れるので、カメラを守るのが一苦労。

それだけでなく、自分自身が振り落とされないよう、手足に力を込めて踏ん張るので必死でした。

以前、キューバの海で水上バイクに乗って死の恐怖を味わったのを思い出しました。

シラクサのボートトリップで見た岩
穴の開いた岩も

私がこんなにも必死なのに、夫はケロッとしていて、若い船頭さんとペチャクチャしゃべっています。

船頭さんによると、この日の風は典型的なリベッチョなのだそうです。

リベッチョというのは、調べてみたら、リビアから吹く風という意味で、南西の強風。

コルシカ島でよく観察されるそうです。

通常の航路では外海を周ることになっていましたが、風が強く、乗客が私達だけであることもあり、船頭さんが、いったん港の方に戻ってくれました。