【2023年4月】イタリアの北西端、ヴァッレ・ダオスタ州のアオスタは、「アルプスのローマ」と言われるほど、ローマ遺跡の多い町です。
ここでの最終日、ホテルで地図をもらって、観光に精を出しました。
まずはローマ橋。
今は川の流れが変わって、橋だけが残っているという変な景色です。
紀元前1世紀の終わりごろ作られた橋なのだそうです。
スロープがキツイし、石畳で歩きにくいし、通らなくてはならない住民には迷惑だろうな。
それから、アウグストゥス門。
ローマ軍がここの先住民のサラッシ族を征服して、紀元前25年に町を築いたのを記念して建てられた門だそうです。
この門から続く目抜き通りを進み、途中で右に曲がって、St. Orso Collegiate Church へ。
11世紀からの歴史がある教会です。
€2(300円超)のツアーに乗れば、中のフレスコ画が見られるそうですが、タイミングが合わず、私達は教会と回廊だけ見ました。
これだけでも見る価値があります。
柱の一本一本に面白い彫刻が施されています。
あまりクリスチャンっぽくない彫刻だと私は思ったのですが、観光地図の説明によると、それぞれ新約聖書の場面や、アオスタの聖人、聖オルソの生涯をあらわしたものなのだそうです。
一部、修復中だったのが残念でした。
教会そのものも、大理石が使われた暖かい色合いで好感が持てました。
クリプトもいい感じです。
ここを出て、次に見たのは、ローマ劇場。
ここで一人€8払って、5か所に入れるチケットを買いました。
ローマ劇場は数々見てきましたが、ここのは何しろ、石が灰色なので、雰囲気が独特です。
幸い、良く晴れた日だったので、青空との色のコントラストが素敵でした。
その上、背景に雪山が見えるので、こんな灰色の石でも映えます。
今残っているのは、石の骨組みばかりですが、2010~12年に実施されたレーザースキャンによる調査によると、素晴らしい装飾がったらしいとのこと。
色とりどりの大理石が使われ、エレガントな柱があり、さらにブロンズ像も飾られていたことが分かったそうです。
ローマ遺跡を見るといつも思うのですが、ローマ人の技術、美的感覚、暮らし一般は、現代の価値感覚にとても近いものがあるようなのですが、その後の中世には、進化よりも後退が目立っているのは、どうしてでしょうね。