【1996年9月】中国の敦煌で観光の目玉と言ったら、莫高窟でしょう。
4世紀から1000年かけて彫ったという有名な仏教遺跡です。
500近くの石窟があり、世界遺産にもなっています。
私達は前日予約しておいたミニバスで向かいました。
入場料が80元(当時、1元=約13円)した上、入口で荷物を預けるのに2元かかりました。
行く先々でお金を取るのはビジネスですから仕方ないとしても、その感じが露骨で、旅行者へのもてなしの心がかけていると感じます。
入ると、英語のガイドはないので、日本人の団体についてまわれ、と言われました。
すでにいくつか見終わっている団体の後について歩きましたが、途中で、彼らは追加料金を支払って特別な穴に行くというので、私達はその群れから離れました。
そうするともう、どうしていいか分かりません。
別の日本人団体にくっついたり、中国人団体にくっついたり。
とにかく一つのグループが穴から出ると鍵をかけてしまうので、個人客が自由に見られないのです。
各石窟の番号の下に安っぽいドアが付いていて、遠目に安ホテルか監獄のようでした。
入って説明を聞ければ、それぞれ面白いのですが、この個人客を排他したようなアレンジのせいで、私はすっかり興がそがれました。
写真厳禁の石窟で写真はありませんが、見た中で記憶に残っているのは、32.5メートルの大仏、南大仏の唇、全体を棺桶に見立てて作ってあるという寝た大仏、それから壁画の薄緑色。
私達が見られた石窟はたぶん、10か所弱だったと思います。
外に出て正面に回ると、貸衣装屋が寄って来たので、10元出して写真を撮ってもらいました。
それが一番、楽しかったかな。
敦煌の町に戻った後、前日に予約した列車が取れたかどうか確認しに、中国国際旅行社(CITS)に行ってみたら、午後8時過ぎに出直せ、とのこと。
時間をつぶして、8時過ぎに行ったところ、今度は翌朝に来い、と言うのです。
敦煌の町そのものにはそれほど魅力を感じなかったので、早く移動したいと思い、列車をキャンセルして、バスで先へ進むことにしました。
ちなみに、このCITSの人は日本語を話しました。
中国人でも日本語を話すと、何か物腰がソフトになるような気がしました。