【1996年9月】中国のトルファンからバスでウルムチへ行きました。
相変わらずのオンボロバスで、約5時間の旅です。
途中、前日のツアーで聞いた洪水の跡がありました。
砂漠は水が貴重ながら、一度、大雨が降ると大災害になるのだそうです。
着いたウルムチは大都会。
都会だから緊張すべきなのに、洗練された人々の動きを見て、なんとなくホッとしました。
着いた早々、ホテル探し。
4軒に「没有(メイヨ―:空きが無い)」と断られた末、町なかの電話ボックスで他の二か所を当たりました。
電話ボックスと言っても、小屋に人がいて、台に乗っている電話を勝手にかけて、かけ終わったら係員に3角(0.3元:当時1元=約13円)払います。
この係員のおばさんと、居合わせたお兄さんがとても親切で、おかげで新疆飯店に空きがあると分かって、そこの200元の部屋に落ち着きました。
ガイドブックでは褒めていなかったホテルですが、部屋もきれいだし、従業員もてきぱきと気持ち良かったです。
面白かったのは洗濯の件。
長旅なので、途中、何度も洗濯する必要があります。
たいていはホテルのサービスに頼りましたが、筆談で一生懸命コミュニケーションした結果、このホテルには洗濯サービスがないと判明。
近所にある「干洗店(クリーニング屋)」に行くよう勧められました。
ホテルの人が辛抱強く、私が分かるまで説明してくれて、とても感じ良かったです。
干洗店ではスムーズに事が運び、シャツやズボンなど10着ほどで、50元でした。
その後、ずんずん歩いて、天池路の市場へ。
食べ物、衣類、布地、民芸品、絨毯など色とりどりの様々な物が売られていて、トルファンのよりずっと面白い市場です。
屋台のシシケバブ1本1元を3本食べました。
ここの人の感じも良く、ウルムチの印象は上々です。
市場の脇には食べ物屋が軒を連ねる路地があり、そこを歩いて行くと元気の良いシシケバブ屋が「シャシリク、ハラショー!」とロシア語まがいで声をかけて来たので、またシシケバブ2本(うち1本はレバー)を食べました。
ここまで来ると、旧ソ連のカザフスタンも近くなり、ロシア人も訪れるのでしょうか。
それからメロンも食べました。
私が食べるジェスチャーをしたら、勢いよく切ってくれました。
味が濃くてすっごく美味しかったです。
二人でまるまる一個食べました。
値段を聞いたら、17と書いたので、私が17元取り出そうとしたら、おばさんが「違う違う」と私の財布から2元取り、3角のおつりをくれました。
1.7元だったのです。
日本では2000~3000円するマスクメロンがたったの24円ほど?!
市場に戻って、今度はウィグル人の伝統柄で色とりどりの絹の矢絣の布地を買いました。
2メートルで40元。
市場の外で見かけた裁縫屋に行って絵を描いて、ブラウスを作ってもらうよう頼みました。
この裁縫屋は外国人が入って来たので、びっくりしていましたが、私のアイデアを喜んでくれたようでした。
ガイドブックのウィグル語のページを使い、二日後に出来上がり、値段は20元だとわかりました。
もう一つ買いたかったのは絨毯です。
新疆にはホータンという絨毯の名産地があり、そこの絨毯がウルムチでも売られていました。
いろいろ見た挙句、結局、ソファの上に置けるクッションサイズの物を二つ、260元で買いました。
ここの店員の一人が計算機と日本語の説明書を持ってきて、日付を合わせてくれ、というのでやってあげました。
彼がしていた腕時計も日本製でしたが、日付の数字の横の曜日はぐにゃぐにゃしたウィグル語でした。
ウルムチは、トルファンのように観光客に頼っている所でなく、普通の人が普通に暮らしている町だから、我々観光客にも楽しいのだなあ、と思った次第です。