【2013年8月】友達の山の別荘に行った日、彼らが「サンクチュアリに行こう」と言って連れて行ってくれたのが、このサントゥアリオ・デッラ・コルナブサでした。
ちょっとした教会をイメージしていたので、洞窟が現れたときにはびっくり。
今でこそ、車で簡単に行けますが、中世にはなかなかたどり着けない山奥で、戦争などの惨事のときに、近所の人々が隠れ家として使っていたそうです。
言い伝えによると、あるとき、惨事を免れたことを感謝して、村人の一人が木製のマリア像をここに残しましたが、その後、すっかり忘れ去られていました。
月日が流れた後、ある日、口が利けず耳が聞こえない少女がマリア像を発見。
驚愕した少女は村に駆け戻り、像について村人達に知らせました。
そして自分が話せて聞こえることに気付いたということです。
現代になって木製のマリア像を科学的に調べたら、13世紀にトスカーナ地方で作られたものだと分かったとのこと。
今では山の下からここまで巡礼の道ができていて、ところどころに祠が作られています。
私達がここに着いたのは夕方で、係りの人が門を閉めようとしていたところでした。
彼女は「二分だけよ」と入れてくれた後、我々がゆっくり見学していたら「閉めますよ。
ここで夜を越したら、寒いわよ」。
確かに、ここで一晩過ごすのは、マリアに守られているとはいえ、ちょっとした肝試しでしょうね。