牛の楽屋を俳優も使った闘牛場

牛の楽屋を俳優も使った闘牛場

【2021年11月】スペインのアンダルシア地方にある小さい町、オスナでの2日目、午前中だけ時間があったので、どこかもう一か所観光をしようということで、闘牛場に行くことにしました。

アンダルシアのオスナの街並み
赤いスクーターが映える白い街並み

闘牛場に辿り着いたのは、10時半前だったのですが、「次のツアーは11時15分です」とすげなく断られました。

オスナの見どころは殆どが、案内人付きのツアーになっていて、時間が決まっているようです。

しかも、どこも1日の同じ時間にツアーを開始するため、「ここがダメなら、あそこ」というわけにはいきません。

幸い、この日も抜群の良い天気で、町をぶらぶら歩いて時間をつぶすのも一興。

ドラマのロケや、広告用の写真にぴったりの美しい景色が目白押しです。

白壁の家並みに、わざとのように赤いスクーターやクラシックカーが停まっていたり、窓から犬が顔を出していたりと、町中が「写真を撮ってくれ」と言っているような風景でした。

途中、お城につながれている熊の像がありました。

オスナの熊の像
オスナで見かけた、お城の塔に繋がれた熊の像

なんでも、オスナの町の名は、ローマ時代にこの辺りにいたという熊を意味する’oso’から来ているとか。

さて、闘牛場の見学ツアーの時間となり、戻ってみると、結局、参加したのは我々だけ。

先ほど冷たかった受付のおばさんが、ちょっと申し訳なさそうに「時間が決まっているものですから」。

彼女が拙い英語で、一生懸命、いろいろ説明してくれました。

オスナの闘牛場内の博物館にある牛のはく製
迫力の牛

音声ガイドを導入する案があるけれど、まだ実現していないのだそうです。

この町の闘牛は、もともとは町の広場でやっていましたが、手狭だったので、20世紀初めにここを建てたとのこと。

この闘牛場は、セビリアのスペイン広場を作ったアニバル・ゴンザレスさんが設計したものだそうです。

場内の博物館には、歴史的な牛の堂々としたはく製が3頭。

迫力がありました。

オスナの闘牛場の座席
日の当たる席は割安

それから、丸い闘牛場を見渡す貴賓席へ。

番号が付いた石段が席で、日が当たる席は値段が安いのだそうです。

暑い国ならではですね。

牛の控室も見せてくれました。

この闘牛場、今では、米テレビシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」のロケ地として知られるそうですが、撮影時には、主役級の主な俳優が、この牛の控室を楽屋として使ったのだそうです。

オスナの闘牛場にある牛の控室
俳優も使った牛の楽屋

私達はこのドラマを見ていないのですが、ネットで探したら、この闘牛場の場面が見つかりました。

二つの種族が殺しあう乱暴なシーンで大勢の人が出ています。

最後に怪鳥が現れ、お姫様を乗せて飛び立っていく、と言ったら、ファンの人には分かるでしょうか。

このテレビドラマは世界各地でロケが行われたそうで、我々のなじみ深いところでは、クロアチアのシベニクや、セビリアのアルカサルなどが舞台になったらしいです。

ドラマや映画の経済効果は、スゴイですね。

オスナの闘牛場にある闘牛士用のチャペル
闘牛士が必ず祈るチャペル

6月に行ったスコットランドのカルロスも、ドラマの舞台として観光客を集めているという話でしたし。

この闘牛場では、さらに、闘牛士が必ず試合前に祈るというチャペルや、馬小屋(闘牛には乗馬で行うものと、馬無しで行うものの2種類あるそうです)なども見せてもらいました。

そうそう、それから、牛が死亡した場合の牛の解体部屋というのもありました。

解体して、肉屋に売るのだそうです。

そして、闘牛用の牛のお肉は、とても美味しいのだそうです。