【2019年4月】今回の日本では、家族旅行で秋田県へ出かけました。
何しろ、10連休という特別ゴールデンウイークの真っただ中でしたので、ずいぶん前から予約したのでした。
新幹線で盛岡へ行き、そこからレンタカーで北上。
思ったほど寒くなく、雪を頂いた山や桜の景色を見ながら、田沢湖へ向かいました。
ゴールデンウイークの最中でしたが、道路は空いていて、家族が「さすが東北!」と言っていました。
けれど、観光スポットの一つである「山のはちみつ屋」に着いたら、人でごった返していました。
文字通り、蜂蜜店で、様々な種類の蜂蜜をなめてみて買えるところです。
なぜか、ロンドンの古いダブルデッカー・バスが敷地内に置いてあって、その中が休憩所。
その裏から見た景色が、雪山と田んぼで、いかにものどかで良い雰囲気でした。
そして田沢湖畔へ。
着いて初めて、以前、来たことがあることに気づきました。
ここからほど近い乳頭温泉に行った時に寄ったのでした。
その時は真冬で、人っ子一人いなかったのですが、今回は大勢の人で賑わっています。
さっそく遊覧船に乗りました(一人1200円)。
船内案内があったのですが、聞き取れたのは、田沢湖は深さが400メートル強あり、日本一深い湖であること、カルデラ湖としては世界でも第三位の深さであること。
それから、透明度も昔は39メートルと世界一だったそうですが、近くの玉川の水を流し込んだために、それが失われ、現在は8メートルほどだそうです。
そして昔は様々な魚がいましたが、アルカリ性だった水に玉川の酸性の水が入ったため、魚は全滅したそうです。
けれど、何より驚いたのは、水の青さ!
船内放送では「ペルシャン・ブルー」と言っていましたが、私が持っている宝石の中では、ブルーアゲートの色。
ガイドブックには簡単に「太陽が深い湖水を照らすため」と書いてあるのですが、それだけなのでしょうかねえ。
母は「船から大量にバスクリンを流しているんじゃないの」と言ってましたが、そんなことを疑いたくなるほど、自然離れした青さでした。
田沢湖には、有名な辰子伝説があります。
田沢湖に近い村に住む美貌の娘、辰子は、その美貌を失いたくないと、観音菩薩に不老不死を必死に願います。
すると観音は辰子に山奥の泉の水を飲むよう指示しました。
言われた通りに水を飲んだ辰子は、異様に喉の渇きを覚え、飲んでも飲んでも、ますます喉が渇き、いつしか龍の姿に変わっていたといいます。
龍になった辰子は田沢湖に身を沈めて、湖の主となったというお話。
悲劇の美女の話が多い中、これはちょっと独特で面白いですよね。
湖畔に黄金の辰子像があり、船から見えました。
龍の姿ではなく、女性像でしたが。
遊覧船は40分で、元の桟橋に戻ってきました。
陽が傾くにつれ、湖面に静寂が広がり、心が洗われる景色でした。