【2018年11月】全く予想外に丸一日空いたので、ミラノから160キロ近く東南に行ったところにあるサッビオネータという町へ遠足しました。
というのも、夫がネットをブラウズしていた時に、美しい劇場の写真に行き当たったからです。
これをきっかけに調べてみたら、サッビオネータはユネスコの世界遺産に登録されている町。
人口は5000人に満たない小さい町です。
この町は、16世紀の貴族で、ナバラ副王、バレンシア副王も務めたヴェスパジアーノ・ゴンザーガという人が自分の理想的な都市として築いた街で、星型の城砦の中に道路が碁盤の目に整備されているのだそうです。
この人はもともと、要塞作りに長けた人だったらしいです。
サッビオネータを作り始めたのは、1554年。
ネット情報によると、「最初の妻と死別してから街づくりにのめりこんだ」のだとか。
とだけ読むと、この妻を非常に愛していたのだなと思うわけですが、実はこの妻が浮気していたのが発覚して、本人が毒殺したという説もあるのだそうで、ゴンザーガはこの苦々しい体験の記憶から気を紛らわすために、この町作りに励んだということなのでしょうね。
着いたサッビオネータは本当に静か。
世界遺産という割には、見どころのチケット売り場が限られていたりして、右往左往した挙句、4箇所に入れる12ユーロのチケットを買いました。
全ての見どころは、午後1時にいったん閉まり、午後は2時半から再開するということだったので、急ぎ足で、まずはその劇場へ。
「古代劇場」という名の劇場で、入り口は小さく、ぱっとしないのですが、入ると「ほうっ」と声が上がる美しい劇場です。
以前にヴィチェンツァで見たオリンピコ劇場を思い出しました。
こちらのほうがずっと小粒ですけれど。
この「古代劇場」は建設が、1588~1590年。
ということは、オリンピコ劇場のすぐ後。
ヴィチェンツァの建築家が設計したといいますから、似た印象なのかもしれません。
舞台には遠近感を現した仕組みがあり、観客席の後ろには、たくさんの像が立っています。
この劇場ができあがったのが1590年2月で、すぐにカーニバルの催しが上演されたそうです。
けれど、その翌年、ゴンザーガ本人が死亡し、その後は急速に廃れて行ったとのこと。
再建されたのは1950年代に入ってからのことだそうです。
ところで、今回のイタリア行きは用事のためだったので、カメラを持参していませんでした。
それで写真は全部、携帯で撮ったものです。
結構、撮れるものですよね。