【2017年2月】ポルトガルのファロに来る前に、会社の同僚に、「ファロには骨でできたチャペルがあるよ」と教わっていました。
どんなものか見当もつかなかったのですが、怖いもの見たさで行ってみることに。
このチャペルがあるのは、カルモ教会で、旧市街の外にあります。
地図を頼りに歩いていくと、教会の周りにたくさんのコウノトリが。
カタカタカタと何か電気関係のような音が辺りに響いているのですが、これは鳥の音だったようです。
しばし見とれました。
そして肝心の教会に行ってみたら、なんとお昼休み中。
午後3時にならないと開きません。
しばらく散歩することにしました。
二月半ばだったのですが、良い天気で日差しが強く、暑く感じるほど。
たぶん18度ぐらいだったと思います。
セーターを一枚脱ぎました。
欧州の冬の旅行先はやっぱりスペインやポルトガルの南部がいいですね。
暗い英国から来ると、光が豊富なのがありがたく、気持ちが和らぎます。
そうこうしているうちに、3時近くになったので、カルモ教会に戻りました。
この教会は、1713年に建て始められ、18世紀後半に完成したものです。
入るのに1ユーロを払います。
教会内は大きくなく、祭壇をはじめ、精密な彫刻にあふれています。
ごてごてした感じは、最近見たコロンビアの教会や、以前見たブラジルのリオデジャネイロの教会に通じるものがあります。
もっとも、こちらがオリジナルなのでしょうけれど。
目的の骨のチャペルは、正面に向かって右側のドアを通って行った先の、教会の裏側にあります。
これは衝撃的。
頭蓋骨が壁一面に、無数に埋め込まれています。
誰が何のためにーーと思って、0・50ユーロでパンフレットを買ってみたのですが、何のために作ったという説明はありません。
ただ、骨は教会付随の墓地から集めて、1816年に作ったとのこと。
壁ひとつ隔てた向こうは幼稚園で、子供たちの甲高い声が聞こえるのが何ともちぐはぐでした。
後で調べたら、骨で作ったチャペルは欧州各国にけっこうあって、ポルトガルでは、アレンテージョ地方のエヴォラにもっと大規模なものがあるとか。
エヴォラに行ったときには知らなかったので、見ませんでした。
共通して言われているのは、「人生とは束の間の、はかないものものであることを考えてほしい」というのが骨でできた礼拝堂の意図らしいです。
私はしゃれこうべに囲まれて、そんなことはこれっぽっちも考えませんでしたけれど。