【2019年2月】ロンドンの南西部にある瀟洒な町、リッチモンドには時々行きますが、今回初めてここにあるリッチモンド劇場でバレエを観ました。
とても小さい劇場で、バレエが公演できるのが不思議なほど。
観客席に入ってみたら、ちゃんと生のオーケストラが前のほうに陣取っています。
既成のオーケストラ・ボックスがあるわけではなく、前のほうの席を撤去してオーケストラを入れていました。
おかげで、私達の席は F列だったのですが前から3列目。
舞台もオーケストラも身近に感じました。
調べたら、このリッチモンド劇場がオープンしたのは1899年のヴィクトリア時代。
864席あるそうです。
ロンドンのコロシアム劇場を含め、90ほどの劇場を作ったという建築家、フランク・マッチャムの作品の一つなのだとか。
1991年に大掛かりな改装をして今の姿になったとのこと。
そして、ここを運営しているのは、アンバサダー・シアター・グループという劇場運営会社で、この会社は英国、米国、ドイツに50近くの劇場を所有しているのだそうです。
劇場も組織化されているのですね。
リッチモンド劇場は、ウエディングや会議にも貸し出されているとサイトに書いてあります。
さて、肝心のバレエですが、モスクワ・シティ・バレエというバレエ団の「眠りの森の美女」でした。
このバレエ団、モスクワに本拠を置いていますが、常に世界各国を回って公演しているいわば、旅回り一座。
リッチモンド劇場のような各地の小さい劇場でクラシックな演目を公演しているようです。
ボリショイやマリンスキーには比較できませんが、こういった劇場でのバレエとしては上々。
東洋人の顔立ちの人々もかなりいたのですが、おそらくカザフスタンなどの人でしょう。
ただ驚いたことに、準主役のリラの精は、日本人バレリーナ、渡辺愛里さんでした。
本当に最近は、日本人ダンサーの国際的な活躍に目を見張ります。
マチネだったので観客には子供も多く、家族連れが袋から何かぽりぽり食べながらバレエを観ていたのには驚きましたが、楽しいひと時でした。