【2019年7月】カナダのモントリオールで、一番の見どころと言ったら、ノートルダム聖堂でしょう。
私達のガイドブックの表紙にもなっています。
夫がどこかで読んだところによると、パリのノートルダム寺院の三分の二の集客力があるのだそうです。
行ってみたら、外に人が並んでいました。
ウォーキングツアーもあるようでしたが、私達はそのまま並んで普通に入場。
入場料は8カナダドル(650円)で、20分間の案内付でした。
案内は12時から始まるというので、それまで教会内を見学。
ガイドブックもネット情報も、基本的にこの教会を褒めまくっているので言いにくいのですが、正直なところ、私には全く厳かでない教会に感じられました。
ディズニーの漫画にでも出てきそうです。
夫も同様の印象だったようで、「ここに神がいると思えない」と言っていました。
暗くて、重みのある木造の彫刻などは凝っているのですが、祭壇の青々としたライトアップがあまりに軽々しくてディズニーっぽいのです。
それと、床が不釣合いな青で、安っぽいリノリウムのようでした。
前日行った、少し先のノートルダム・ド・ボンスクール教会の方が、よっぽど厳かで趣がありました。
南米でも、かなりキッチュな教会を見たことがありますが、そこには素朴な信仰心が感じられました。
こちらはお金をつぎ込んで華やかにした結果、荘厳さを失った感じがしました。
12時になると、女性が大声を張り上げて、腰かけている大人数の私達に説明をしてくれました。
彼女によると、17世紀半ばにこの地を訪れたカトリック教会の人々が、この近所に、石造りで尖った鐘楼のある教会を建てましたが、人口の増加に伴い、教会が手狭になりました。
教会の外にまで人があふれる状態で、特に冬場は耐えがたかったので、1829年、この大きな聖堂を建てたとのこと。
当初は鐘楼まで作る資金がなく、鐘楼だけは、昔のを使っていた時期があったとか。
ようやくできた鐘楼には巨大な鐘が吊るされ、なんでも、12人がかりで鳴らすのだそうです。
この鐘はアメリカ大陸で最大だとガイドブックに書いてありました。
めったに鳴らされず、イースターなど、特別の時にだけ鳴らすとのこと。
彼女は「鐘の音を聞いた方もいるかと思いますが、それは別の塔にある10個の小さい鐘の音です」と言っていました。
それから、この聖堂がパリのノートルダム寺院を模して造られたと言われることがあるけれど、それは間違いで、むしろ、ロンドンのウェストミンスター寺院に似ているという話でした。
聖堂の中が木製なのは、木が暖かさを保てるからだそうです。
パイプオルガンには、7000本のパイプがあり、一番大きいパイプは10メートルの高さがあるとか。
きっと迫力のある音が出るのでしょうね。
本堂の裏には1970年代に放火で焼失して作り直したというサクレクール聖堂があります。
ここは静かに祈る人の空間で、写真は不可とありました。
放火の犯人は見つかっていないという話でした。