【2019年12月】熊本での二日目は良い天気。
でも空気がとても冷たく、長いこと外を歩けないので、まずは市役所の14階から熊本城を眺めることにしました。
ホテルの部屋からも遠くに見えたのですが、熊本城を見るにはここが一番だと、後で地元の人にも言われたので、良い選択だったと思います。
熊本城はただいま、修復の真っ最中で、敷地の中には入れません。
2016年の大地震で石垣の三割が崩落する大災難にあったためです。
天守閣最上階の殆どの瓦も落ちてしまったそうです。
クレーンが立っていましたし、後で付近を歩いた時に、崩れた石垣の岩が置かれている空き地がありました。
日曜・祝日には一部公開しているそうですが、我々が訪れたのは金曜日でした。
修復中で入れないことは知っていたのですが、お城の中心である天守閣が復元されたのが、そもそも割と最近の1960年だったということは知りませんでした。
今回の地震だけでなく、いろいろな災害にあったお城のようで、特に1877年の西南戦争の直前にあった火事では大損害を受けたのだそうです。
歴史をさかのぼると、このお城は1606年に時の藩主、加藤清正によって建てられたもの。
後で小泉八雲の家を訪れた際、ここの館長さんが説明してくれたことですが、この加藤清正はエンジニアリングに長けた人で、「武者返し」と呼ばれる石垣の積み上げ方がよく考えられているそうです。
今回だけでなく、何度もあった地震の際、初期に作られた石垣の壊れ方が軽く済んでいるという話でした。
で、実際この「武者返し」が奏功して、西南戦争の時には西郷軍14000人の総攻撃に耐えて撃退したのだそうです。
でも加藤家は二代しか続かず、その後の細川家の治世の江戸時代にお城は拡張を続けたらしいです。
市役所の14階からは、近所にある熊本信用金庫の建物にばーんと大きく描かれている「くまモン」も見えました。
くまモンは熊本県を宣伝するためのマスコット。
一時日本国中でこういったマスコットが作られましたが、その中でも最も、成功して長生きしているケースでしょう。
2020年でちょうど10歳になるそうです。
ところで、ここに来る途中、郵便ポストの上に立っている「おてもやん」を見ました。
日本民謡として有名な「おてもやん」ですが、歌詞は熊本弁なのだそうです。
三味線と踊りのプロだった永田イネという女性が作詞作曲したとのことで、実際にいた富永チモという人をモデルにした歌だとか。
内容が面白くて、特に出だしは「おてもやん、最近結婚したんだって? 結婚はしたんだけどね、相手の男がそりゃあ醜くて、式は挙げてないのよ。世話を焼いてくれた村の衆が何とかしてくれるでしょ」というような意味の歌詞だそうです。
この投げやりな態度、笑えますよね。