【2021年6月】スコットランドのファイフ地方の小さい町、カルロスで充実したひと時を過ごし、帰路に着きました。
行きと同様、バスに乗って、鉄道駅のあるダンファームリンへ。
せっかくだから、この町も見てみようということで、少し歩き回りました。
ここにもカルロスと同様、宮殿跡と修道院跡があります。
隣り合っているというこの2つの見どころをバスステーションで尋ねましたが、「どこかあっちの方よ」とかなり漠然とした答え。
地元住民は観光名所には興味ないんでしょうね。
見つけた修道院跡ですが、そこの教会は今も稼働しているようで、結婚式が執り行われていました。
それで、気が引けたので、中には入れず。
新郎とベストマンかと思われる男性2人は、地味な色のキルトを履いていました。
キルトはスコットランドの人々にしっかり根付いている国民服で、観光客に見せるための民族衣装ではありません。
バスの窓からも、住宅地の通りにキルト屋さんが見えましたし、開催されていたサッカーの欧州選手権で、スコットランドのサポーターは皆、キルト姿で参じたという話でした。
ガイドブックによると、この修道院は、ベネディクト会修道院で、12世紀にマーガレット王妃によって創設されたそうです。
このマーガレットという人は、エディンバラ城に住みながら、フォース湾を渡っては貧しい人々を救済していたそうで、1250年には聖人となったそうです。
エディンバラ郊外のクイーンズフェリーという町の名は、このマーガレット王妃がここからフェリーでフォース湾を渡っていたことから、この名前が付いたと、1週間前にツアーのガイドさんから教わったのを思い出しました。
教会のてっぺんに「The Bruce」という文字が見えました。
その時には分からなかったのですが、後で調べたら、13~14世紀のスコットランド王で英雄だとされるロバート1世(ロバート・ザ・ブルース)がここに埋葬されているのだそうです。
修道院跡の隣に、宮殿跡があるのですが、こちらは16世紀に、修道院の客間だったところを改築して建てられたものだとか。
この一帯は大きな公園になっていて、土曜日のこの日、散歩している住民もちらほら見られました。
あまり時間がなかったので、見学はほどほどにして、鉄道駅に向かいました。
途中、通った目抜き通りは、英国のどこにでも見られる、それほど豊かでない地方都市の様相。
安めのチェーン店や、チャリティー店が並んでいました。
ただ目立ったのは、トルコ系の床屋。
トルコ人の床屋に定評があるという話は聞いたことありませんが、トルコ人がやっていることを前面に出した床屋があちこちに見られました。
美容院より、はるかに床屋が多い町でした。
それから、駅から遠くないところに、大きい素敵な家々が並んでいたので、好奇心にかられて不動産屋の窓の広告も見てみたのですが、ロンドンのアパートの価格を大きく下回るお値段で、かなりの豪邸が買えることが判明。
エディンバラから列車で30分の距離の町ですから、十分、通勤圏内。
住みやすい町なのかもしれません。