ファイフ王国へのツアーに参加する

ファイフ王国へのツアーに参加する

【2021年6月】日曜日のこの日、滞在していたスコットランドの首都エディンバラから、一日ツアーに参加して、ファイフと呼ばれる地域へ行きました。

ファイフはよく、ファイフ王国とも呼ばれる地域で、エディンバラと、北の都市ダンディーに挟まれた半島です。

ツアー会社、ラビーズのカフェ
ツアー開始前にラビーズのカフェで

なぜ王国と言われるかというと、大昔、スコットランドに住んでいたピクト人がここに王国を築いていたからだとか。

あまり実態は分かっていないようです。

ツアー会社はラビーズという名前で、私達は以前、ハイランドアイルランドなどへのツアーで何度か使ったことがあります。

この日のツアーに参加したのは、我々の他、イングランドのランカシャーから来た老夫婦と、中国人とチリ人の友達同士の学生二人だけで、6人のツアーでした。

ミニバスの運転手兼ガイドは、デレクという年季の入ったおじさん。

本職は介護福祉士で、ラビーズの仕事はアルバイトながら20年続けているとのことでした。

ファイフ・ツアーで乗ったミニバス
ラビーズのミニバス

ファイフの炭鉱の町の出身で、その町の男子は何かしら炭鉱関連の仕事に就くのが習わしでしたが、デレク本人は閉所恐怖症なので、これを逃れたと言っていました。

炭鉱は後に閉鎖されましたが、スコットランドは風力発電や潮力発電などの再生可能エネルギーが急成長しているそうです。

さて、エディンバラ市内からフォース湾を渡ってファイフに入りました。

フォース湾には三つの橋があり、今回、私達が渡ったのは、2017年に開通した一番新しいクイーンズフェリー・クロッシングです。

クイーンズフェリー・クロッシングを渡ってファイフへ
氷が降るというクイーンズフェリー・クロッシング

ケーブルのラインが美しい橋ですが、デレクによると、この橋は、支えている柱の上部に氷がたまり、これが降ってくるという理由で、橋が何度か閉鎖されているそうです。

ファイフに入ってしばらくすると、カーコーディという町のそばを通りました。

歴史的な経済学者のアダム・スミスが生まれた町だそうです。

資本主義の権化のように言われているアダム・スミスですが、この地で書いた「国富論」の中で、「人には階級があり、貧しい底辺の人々を助けるべきだと書いている」とデレクが指摘していました。

それから、ラーゴという町を通った時には、「ここは『ロビンソン・クルーソー』のモデルになった実在の人物が生まれたところ」とのこと。

アレクサンダー・セルカークという人で、海軍に入り世界を旅した末、太平洋の無人島で4年半暮らしたのだそうです。

結局、スペイン船に救出されたという話でした。

ファイフの小さな村、イーリーの浜辺
車窓から撮ったイーリーのビーチ

こんな風に、道中、いろいろな話が飛び出して、全く飽きません。

最初の目的地、アンストルーサーに着く前に、「自然が残る海辺の景色を見せたい」と言って、イーリーという村の海辺に寄り道してくれました。

車を降りて、のんびりしたいようなところ。

夫が、「昨日行ってがっかりしたクラモンドは、こんなところを想像していた」と言っていました。

そして、アンストルーサーに着きました。