【2022年1月】ポルトガル北部の町、ポルトに滞在中、何度も暗くなってから散歩に出かけました。
たいていは、ドウロ川沿いの賑やかなところへ。
有名なドン・ルイス1世橋が工事中で、ちょっと残念だったのですが、歩行者は通れました。
といっても、工事の部分は、ビニールで覆われて外が見えない状態を歩くことになっています。
それがまた、SF調で面白かったですが。
ガイア側に渡って、ポートワインが飲めるところを探したのですが、お正月だったせいか、どこも早く閉まっていて、めぼしいところが見つかりませんでした。
ポルト側に戻り、川沿いから一本入った通りに、Lado Wine というワインバー風のお店があったので、入ってみました。
すると、ここがまさに、ポートワインの試飲をさせてくれる店だったのです。
ほかにお客さんが入っていなかったので、最初、どうかと思いましたが、ポートワインについて博学の女性、マリアさんが対応してくれました。
ポートワインには、白とルビーとタウニーの3種類あることを教えてくれた上で、それぞれをテースティングさせてくれました。
その中から気に入ったタウニーを注文して、ゆっくり飲みました。
ルビーというのは、もちろん、赤のことですが、タウニーというのは初めてだったので聞いたら、その昔、英国人が好んで買ったルビーの残りを寝かせて、ブレンドさせたものだという話でした。
ルビーより、茶色っぽい色。
なぜ話に英国人が出てくるかというと、自国でワインができなかった英国は、昔、フランスから買って飲んでいたのですが、フランスとの戦争が起こってからは、その他の国に矛先を向けました。
その一つがポルトガルで、ポルトガルのワインをポートワインと名付けて輸入し始め、英国を通して世界に知られたという経緯があるからです。
さて、タウニーを飲み終わった後、もう少し飲みたいなと思って、夫が注文したのは、白の10年物。
私は別のタウニーの10年物にしました。
キャラメルっぽい風味がありますが、甘すぎず、良い感じでした。
マリアさんによると、このLado Wine は、ポートワインとドウロ川沿いでできる一般のワインの生産者、およびボトラーの協会と組んで、小規模の生産者のワインをプロモートしているところ。
マリアさんも世界中のワイン市に出かけて、ドウロ川のワインの販売を促進する「ワイン大使」なのだそうです。
そうこうしているうちに、我々の隣のテーブルにカップルが来ました。
ここに来るのは何度目かの様子で、マリアさんとも親し気です。
フレンドリーな二人で、カナダから来たとのこと。
トロントとケベックシティー出身の二人で、私達がそれぞれの町を訪れたことがあると言うと、とても喜んで、かなりおしゃべりが弾みました。
まあ、これもポートワインのマジックのおかげでしょう。