【2025年4月】ドイツ南部のシュトゥットガルトでの最終日、チェックアウトまでのんびり過ごすかな、と思っていましたが、珍しく夫が「ちょっと出かけようか」と言うので、町の中心のシュロスプラッツを目指しました。
シュロスプラッツとは宮殿広場を意味し、オンライン情報によると、町の「リビングルーム」として親しまれているところだそうです。
18世紀、ヴィルヘルム1世時代の都市計画の一環として作られました。
広々とした広場で、周りを歴史的な建造物が囲んでいます。
例えば新宮殿。
18世紀後半のバロック様式の建物で、当時のヴュルテンベルク公国の権力の象徴だったものだそうです。
今は州政府の施設で、中には入れないようですね。
それから、広場の南東には旧宮殿があります。
これは10世紀からの歴史を持つ建物で、今は州立の歴史博物館になっています。
そこから広場を隔てて、はるか向こうのお向かいにはドームが見え、モスクでもあるのかと思ったのですが、これは芸術館という建物で、現代美術の展示会場だそうです。
ドームの上の金色の鹿が立っているのが印象的。
美術館は広場の南側にももう一つあって、実はトイレをお借りしただけで、見学しなかったのですが、こちらも現代美術の展示のようでした。
でも、一番堂々としていて、大きく見えた建物はケーニヒスバウというショッピングセンターでした。
このシュロスプラッツは、町一番の商店街、ケーニヒ通りにつながっているのです。
広場をぐるっと歩いた後、そこから少し入ったところにある教会を覗いてみました。
シュティフト教会という名前で、アンバランスな塔が目印。
ここには日本語の案内書もありました。
それによると、10~11世紀ごろの身廊が一つしかない村の教会が起源で、1495年までに現在の大きさになったとのこと。
1534年に、この地方で初めてプロテスタントの説教がなされ、それ以降、プロテスタントの教会となったそうです。
第二次世界大戦では大幅に破壊され瓦礫と化した後、1950年代、当時のスタイルを取り入れて再建。
さらに、1999~2003年に改築されたそうで、かなりモダンな内装でした。
ベンチが黒くて、バッグだか服だかをひっかける金色のフックが並んでいる様子が、まるで棺桶が並んでいるように見えて異様でした。
正面の赤を基調としたステンドグラスは美しかったですが。
でも全体に寒々しいイメージの教会でした。
もっとも、シュトゥットガルトの人々はそれほど宗教心が篤いわけでもないようで、この教会の重要な役目は、バッハやブラームスの音楽のコンサート会場であるのだそうです。