笑いが止まらぬ海の色 6

翌日は、モノポリを後にして近くの海沿いの町、ポリニャーノ・ア・マーレに行ってみる。

ガイド本には、ギリシャ人によって創られ、その名残がある街とあったが、確かに、白壁の建物が連なっていてアテネの一角を思い出させる風情があった。

しかも私はカメラのISOを1600にしたまま気づかずに写真を撮り続けたので、画面はますます真っ白・・・。

よくやるんだなあ、これ。

ここは洞窟がぼこぼこあるような崖の上に建てられた町。

曲がり角を曲がったら、突然、眼下に入り江が広がり、思わず「おっ」と声を上げた。

エメラルド・グリーンの海で泳いでいる人々も。

いいなあ・・・。

風光明媚な旧市街はとても小さく、あっという間に歩き終えてしまう。

良い加減に、お昼時となり、そこにたまたまあったワインバーとの看板の店に入る。

小さいワインバーとはいえ、歴史のあるレストランで1600年代に創設だそうな。

プーリアでは欠かせないパスタ、オレキエッテを食べた。

町を出る段階になって、小ぎれいな日本人女性二人連れのツーリストとすれ違った。

ーーってことは、そこそこ知られた町だったのかも。

そして最後の目的地、バーリに向かう。

途中、海を背景に、円錐形の屋根のトゥルッリを倉庫に使っている田園風景が見られ、車をとめて写真を撮る。

前回、プーリアに来たときには、このトゥルッリの代表的な町、アルベロベッロにも行った。

ここはプーリアの中じゃ、一番名の知られる町で、日本人団体旅行客にも出会ったものだ。

白壁に灰色のとんがり屋根が連なる町は、確かに一見の価値がある。

今回はトゥルッリは眼中になかったが、ちょっと見られてラッキー。

さて、バーリ。

ナポリに次いで危険な町だと聞いていた。

近年、治安が改善したとガイド本にあるが、いまだに、地元出身の人が「カメラを見せて歩いてはだめよ」と言うくらいだから緊張する。

歩きたいのは旧市街だが、その周りは道路が碁盤の目のように交差した地域が広がる。

これまでと違って大都会なので、旧市街の部分に行き着くのに、かなり右往左往した。

旧市街に入ってみると、観光客がたくさんカメラをぶら下げてうろうろしているんで、ちょっと拍子抜け。

ほっとした。

どうやら、港に停泊しているクルーズ船から降りてきた人たちのようで、その人たちのためのツアーがオーガナイズされている様子だった。

しばらくぶらぶらして、大きな教会をふたつ見学したが、時間に限りがあったせいか、バーリの印象は他の小さい町に比べて薄いのが正直なところ。

もう少し下調べをして行きなおす必要があるかなと思う。

そしてこのたびの旅も無事、終了。

今も脳裏に映るのはやっぱりあの海の色。

次は是非、あの中に浸かりたいものだ・・・と前回のプーリア旅行でも思ったんだった。

はあ・・。