人口: 約32万人
市外局番: 095
ナンバープレート: CT
面積: 180.9平方km
カターニアはイタリアのシチリア島にあり、パレルモに次ぐ、シチリア第二の都市です。
南イタリアの”ミラノ”と呼ばれる理由は、経済活動が活発で、なおかつ流行を積極的に受け入れるところからでしょう。
カターニアという名前は、ギリシャ時代初期の呼び名カタネ(シクリ人の言葉で溶岩の土地という意味)からきており、その名の通りエトナ山の溶岩の上に築かれた町です。
長い歴史の間に幾度となくエトナ山の噴火と地震の被害に遭いながらも再建を続け、現在のエレガントなバロック様式の町が出来上がっていきました。
2002年に世界遺産に登録されたカターニアの街には、旅行者を引き付ける魅力的なバロック建築・芸術があふれています。
シチリア島の玄関口として知られるカターニアは、イタリア国内や欧州各地からのアクセスも非常に便利です。
リゾート地のような華やかさこそありませんが、大人の落ち着いた雰囲気を味わうことができるでしょう。
街の中心広場にそびえるこの大聖堂は1090年に、当時のシチリア伯ルッジェーロ1世により建築されたもので、カターニアの守護聖人・アガタを祀っています。
ただし、現代のバロック大聖堂は再建されたものであり、先代のものは1693年の大地震により大きな被害を受けたと言われています。
大聖堂内にはエトナ山噴火をテーマにした壮麗なフレスコ画や、「聖アガタ祭り」で使われる像を保管する礼拝堂、作曲家ベッリーニの墓などの見どころがたくさん。
カターニアを訪れたら、まずここを訪れ、神聖な雰囲気を感じましょう。
サン・フランチェスコ・ディ・アッジジ広場から始まる約200mほどのクロチフェリ通りには、幾多ものバロック様式の教会と修道院が立ち並んでいます。
代表的なものとしては、サン・ベネディクト教会、サン・フランチェスコ・ボルジア教会、イエズス会寄宿舎、サン・ジュリアーノ教会があげられます。
中でも、カターニア最高のバロック建築と呼ばれるサン・ベネディクト教会は外観の素晴らしさもさることながら、内部もまたバロック装飾で彩られ、その美しさはまさに必見です。
1434年に創設されたシチリア最古の大学・カターニア大学は、街のメインストリートから2分ほど歩いた広場にあります。
壮大なバロック様式の建物は、大学とは思えないほど立派なもので、宮殿のように豪華な内部や、美しい回廊を持つ中庭も見どころの一つです。
また、広場はイベント会場になることもあり、普段から芸人のパフォーマンスやコンサートでとても賑わっています。
19世紀末に建設されたこの劇場は、カターニア駅から約15分ほどの場所にあります。
1835年に亡くなったイタリアオペラ界を代表する作曲家ヴィンチェンツォ・ベッリーニに捧げられました。
劇場前広場には目印の魚をモチーフにした噴水があり、劇場の外観はバロック様式、内部は赤と金を基調にしたロココ調の美しいデザインが施されてます。
現在もオペラやバレエなどが1年中公演されてますので、芸術鑑賞に興味がある方には最もおすすめの場所です。
カターニアから車で30分のところにあるアーチ・カステッロは、観光客や海水浴客でにぎわう街。
溶岩でできた絶壁の上に、1076年から1081年にかけて建設されたノルマン城がそびえ立っています。
火山岩でできたこの中世のお城は、現在、有料で中を見学することができます。
お城の前はトラットリアなどがある賑やかな広場。
歴史的な城と青い海の絶景を味わいながら、食事も楽しんでみてはいかがでしょうか。
カターニアの街に訪れるのは、基本的に夏以外の季節がおすすめです。
というのも、カターニアはシチリアの中で最も暑い町として知られていて、平野にあるという状況により気温が40度近くまで上がることがあるのです。
また、8月には多くのお店やレストランが夏休みのため閉業してしまいます。
一方11月から2月にかけては、他のシチリアの町と比べて降水量が少なく、天気も良いので過ごしやすいといえるでしょう。
カターニアで行われる世界的に有名なイベント、”聖アガタ祭”は毎年2月5日に開催されるので、旅行計画に組み込んでみてはいかがでしょうか。
カターニアは紀元前729年に古代ギリシャ人により建設された町と言われています。
その後、紀元前3世紀にシチリアがローマ属州となると、町はみるみる発展していきました。
円形競技場、ローマ劇場、オデオンなどがこの時期に次々に建設され、当時の繁栄ぶりをよくあらわしています。
ところが、度々起こるエトナ山の噴火や地震の被害により、町は幾度も崩壊の危機を迎えます。
その度再建を繰り返し、上述した古代の建物群は徐々にバロック建築物の下に埋もれていきました。
そんなカターニアでしたが、1990年代前半には、マフィア同士の抗争などにより一躍有名となります。
2002年に町全体が世界遺産に登録されるまで治安は決して良くありませんでしたが、それ以降は歴史的中心地区は見違えるようにきれいになりました。
今でも裏通りや町はずれに行くと荒んでいる部分が目につきますが、レストランやお土産屋が並ぶ中心地区であれば夜もにぎやかで、とても安全です。