人口: 約500万人

面積: 25,710平方km

行政区: 9県

地中海の真ん中に浮かぶ、イタリア最大の島・シチリア

美しい自然と海、温暖な気候、海の幸をふんだんに使った豊かな食文化、素朴な人々。

そういった観光地の魅力をすべて兼ね備えた島として一年を通して、世界中から旅行者が絶えません。

情緒あふれるパレルモや、リゾート地として有名なタオルミーナなど、訪れるべき街も非常に多く、様々な旅の目的を満足させてくれるでしょう。

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シチリアの観光名所

過去様々な民族に支配されてきた歴史を持つため、いくつもの文化が入り混じる結果となったシチリア島。

訪れる都市によってその印象は大きく異なり、イタリア本土とはまるで違う独特の雰囲気を感じることができます。

また、地中海という地理的な位置や自然豊かな土地に恵まれているため、ワインや魚介類、フルーツなど食を楽しむにもおすすめの旅行先です。

パレルモ

シチリアの州都であり、イタリアだけでなくスペインやアラブなどの文化が融合された街、パレルモ

ノルマン時代に建てられたアラブ・ノルマン様式と呼ばれる建造物が醸し出すエキゾチックな雰囲気がこの街最大の魅力です。

シチリア最古のビザンチン様式が残されたマルトラーナ教会と、豪華絢爛なモザイク画を誇るパラティーナ礼拝堂は中でも見逃せないスポット。

アラブの影響も受けた独特の料理や、名物お菓子のカンノーロとカッサータも、パレルモに訪れたらぜひ食べてみてください。

タオルミーナ

シチリア内でも随一と言われる、高級リゾート地・タオルミーナ

イオニア海を見下ろすように広がるタオルミーナの街はそれは美しく整備されており、周辺の景色も併せて観光客の人気を呼んでいます。

タオルミーナのシンボルとして知られるのは、海に突き出た崖の上に建つ「ギリシャ劇場」と、ドゥオーモ広場に佇む「女版ケンタウロス像」。

上記の2か所と併せて、4月9日広場や、市民公園から眺望できる海岸線の素晴らしいパノラマも見ておきたいところです。

アグリジェント

紀元前500年、古代ギリシャ人によって築かれた遺跡の街・アグリジェント

そこには古代ギリシャ神殿の遺構が並ぶ世界遺産、「神殿の谷」が残されています。

保存状態のよいコンコルディア神殿をはじめ、約20におよぶ遺跡群が自然豊かな丘に佇む風景はまさに忘れがたい美しさです。

その他にも、「神殿の谷」に隣接するヘレニズム期・ローマ期地区、国立考古学博物館、「アグリジェントの青年像」など、見るべきものが目白押しです。

マルサーラ

シチリア西海岸に位置する街マルサーラは、ワインの街として世界中に知られています。

有名な酒精強化ワインの一つであるマルサラ酒を造る工場がいくつもあり、見学も可能なのでワイン好きの方には最もおすすめの町といえます。

秋の収穫祭には、街の中心にある噴水からワインがあふれ出すという珍しい光景を見ることができますよ。

その他の見どころは考古学博物館で、ポエニ戦争時代のフェニキア船の残骸や、それを元に復元された船を見て、古代史に思いを馳せるのも一興です。

シチリアの気候

シチリア島は、過ごしやすい地中海気候のおかげで、年間を通して快適です。

中でも一般的な観光シーズンは4月~11月中旬クリスマス~1月初頭です。

海が目的ならば天気が安定している6月~9月がおすすめですが、観光目的であれば真夏の日差しを避けるため、春から初夏にかけての季節が最も適しています。

パレルモやカターニアなどの大都市は、8月の間バカンスで町が抜け殻状態になっているため注意が必要です。

夏は滅多に雨が降りませんが、それ以外の季節だと天気が崩れることも少なくないので、折り畳み傘やちょっとした上着は必需品といえます。

シチリアの歴史

現在も残っている多くの遺跡が示す通り、シチリア島は古代ギリシャ世界と深い関係を持っています。

紀元前8世紀頃、移住してきたギリシア人により島はみるみる繁栄していきます。

アグリジェントに点在する20もの古代遺跡の大半は、この時代に造られたと考えられています。

シチリアはその後、カルタゴ、ローマなどの支配を経て、他の南イタリア地方同様、アラブ世界の支配下に入ります。

11~12世紀にはノルマン人が勢力を伸ばし、イスラム支配に終止符が打たれ、パレルモを中心にノルマン朝シチリア王国を設立します。

シチリア王国は街を発展させていき、神聖ローマ皇帝でもあったフリードリヒ2世の統治時代には絶頂期を迎えました。

彼の死後、フランススペインと支配者を変えていき、最終的には1860年、シチリアはイタリア王国に統一されたのです。

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