人口: 約590万人

面積: 17,242平方km

行政区: 5県

イタリア半島の中央に位置し、隣接する州が六つもあるラツィオ州

イタリア共和国の首都であるローマがあることで有名なこの州には、今でも古代ローマ時代の面影が色濃く残されています。

山岳、丘陵地帯を多く持つためオリーブやブドウ、穀物などの生産も盛んで、観光だけでなく農業も重要な収入源です。

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ラツィオの観光名所

イタリアの中でも最もたくさん教会や寺院、博物館、遺跡などが集まる州として知られ、見どころが尽きないラツィオ州。

永遠の都ローマだけでなく、最近はローマから日帰りできる他の中小都市、湖なども人気を集めています。

かつてローマ帝国として栄えた輝かしい歴史を直に肌に感じてみてはいかがでしょうか。

ローマ

こちらのページで紹介。

ティヴォリ

ローマから東に30kmに位置するティヴォリは、2つの世界遺産、ヴィッラ・アドリアーナとヴィッラ・デステを有する街

ヴィッラ・デステは16世紀、名門エステ家によって造られたルネサンス様式の別荘で、その数が500とも言われる庭園内の噴水はまさに見ものです。

一方ヴィッラ・アドリアーナは、ローマ皇帝ハドリアヌス帝が2世紀に建てたそれは広大な別荘跡。

今は遺跡となっていますが、エジプト、ギリシャ、ローマの各様式を備えた建物や神殿は、かつてのローマ皇帝の権力をそのまま表現しているようです。

ローマからの日帰りも可能ですが、ぜひ宿泊してゆっくりと歴史に浸ってみてはいかがでしょうか。

カステッリ・ロマーニ

カステッリ・ロマーニとは、ローマの南東にあるアルバーニ丘陵一帯の総称で、かつて貴族たちが暮らした別荘がある町々が点在しています。

アルバーノ湖とネミ湖という二つの湖が中心となっているので、美しい景色を見ながらゆっくり町々を周れます。

ローマのワイン貯蔵庫」と呼ばれるほどワインの生産が盛んな地域で、毎年様々な町で「ブドウ祭り」と呼ばれるお祭りも行われています。

チビタ・ディ・バニョレジオ

断崖絶壁の上に残され、一見「陸の孤島」といった風貌を持つ小さな町、チビタ

地震や雨風などの自然の力によって、すでに町の3分の1が消滅したとの見方もあるこの町は、今も風化が進んでおり、「死にゆく町」「滅びゆく町」の別名を持つほどです。

そんなチビタの魅力はやはり、「天空の城ラピュタ」の創作にインスピレーションを与えたといわれる、ユニークな成り立ちでしょう。

現在、町に入るには入場料が必要ですが、ここまで来たら是非、長い橋を経て城門をくぐり、可愛らしい中世の町を楽しんでください。

ラツィオの気候

ラツィオ州は、首都ローマを含み典型的な地中海気候で知られています。

夏は日差しが強く気温も高くなりますが、一方で冬は比較的気候が穏やかで気温は3~5度程度です。

降雪は非常にまれで、年間降水量も600~1000ミリ程度と少ないので、折り畳み傘1本あれば心配ないでしょう。

ラツィオの歴史

ラツィオ州の歴史とはとどのつまり、西洋文化とキリスト教文化の歴史とも言い換えることができます。

この地方をラティウムと呼ぶことがありますが、その地名のもととなったラテン人がこの土地に定住し、支配者として君臨したのが始まり。

当時、その他にも様々な諸民族が住んでいましたが、ラテン人の共和制ローマが闘争を繰り返した末、支配的位置を確立していきました。

長期に渡ったローマ帝国時代、ラツィオ州はおおむね平和を謳歌していましたが、5世紀頃には帝国の中心地としての役割は徐々に失われていきました。

最後の皇帝も退位に追い込まれ、しばしの間権力が真空状態だったラツィオですが、その後、権力を拡大したカトリック教会がその穴を埋めます。

以降、現在のイタリアの国土のそれぞれの地方があらゆる勢力に支配されていく中、ローマ、およびラツィオ州はカトリック教会の教皇領の中心として続いていきました。

1870年、イタリア王国がローマを占領、首都をローマとしたことで、ラツィオは首都ローマを抱える重要な州として発展していったのです。