【2020年9月】イングランド南東部のウィッツタブルへ出かけたのは、牡蠣を食べるのが第一目的でしたが、もう一つの目的は、ビーチにずらっと並ぶカラフルなビーチ・ハット(beach hut)の光景を見ることでした。
ビーチ・ハットとは何かというと、小さい木製の小屋で、ビーチで遊ぶ人々が着替えや休憩などに使うものだそうです。
たいていは個人所有で、買おうと思うと、かなりのお値段がするものらしいです。
オンライン情報によると、英国で最近売れた一番高い小屋はドーセット州にあるもので、33万ポンド(約4580万円)。
「イングランド北部の町、ハルではこの値段で寝室が5部屋ある一軒家が買える」と書いてありました。
ウィッツタブルにあるビーチ・ハットでも、二層になっている立派なものが5万ポンド(約694万円)で売れたというのがニュースになったことがあるようです。
ビーチ・ハットにはトイレがなく、寝泊りはできないのですけれどね。
ウィッツタブルに行こうと私が提案した際、夫がネットで検索したら、まずこのビーチ・ハットの光景が出てきたそうですが、何度もこの町に行ったことのある私は、毎回気持ちが牡蠣に集中していたためか、見たことがありません。
なので、ウィッツタブルのどの辺にあるのか知りませんでした。
港周辺には見当たらなかったので、店でビーチ・ハットの写真を売っていた人に尋ねました。
すると、港を中心に海に沿って、右に行っても左に行っても、こういう光景が見られるところがあるとのこと。
この人によると、海に向かって右に行くと家族向けのビーチ、左はより自然なままのビーチだそうです。
歩いて20分ぐらいで行けるという話でしたので、私達は自然のビーチの方を目指しました。
この日は何しろ雲が垂れ込める暗い日であるだけでなく、強風で寒く、コロナ対策のマスクが防寒に役立ったほど。
そんな中でしたが、道中もかなり絵になる風景があり、たくさん写真を撮りながら歩きました。
やがて、それらしい光景が現れました。
なるほど、これは確かに見甲斐があります。
小屋は一つ一つ色が異なるので、そこ一帯がカラフルで、こんな悪天候の中でもぱっと目を引きます。
カニや人魚の印をつけている小屋があったりして、持ち主がいろいろ工夫しているあとも見られました。
季節外れだし、こんな天気ですから、皆、しっかり閉まっていましたが。
海に面して並ぶ一連のビーチ・ハットの裏側に回ってみたら、小道を挟んで、さらに小屋が並んでいました。
つまり、列が二重になっていたのです。
それほどに需要がある、つまり、このウィッツタブルの海で泳ぐ、あるいは日光浴をする人がいるってことですねー。
少なくとも、この日の灰色の海を見る限り、ここで泳ぐなど、とても想像もできませんでしたが。
ここで自撮りをして、SNSに載せたら、「ウィッツタブルは良い所よね、楽しんで」と意外にも、複数の友達から反応がありました。
ウィッツタブル、私が感じていたよりも実は有名な町だったのかも。