【2021年12月】ポルトガルのシントラ郊外の山頂にあるペーナ宮殿は、赤と黄色の派手な色とごてごてっとした形が特徴です。
私達が訪れた日は、比較的天気が良好な日のはずで、傘を持たずに来たのでしたが、ここに着いたら、霧雨が降りしきっていました。
じっとりと濡れるタイプの雨です。
このおかげで、派手な色もくすんで見え、てっぺんは霧の中にかすんでいました。
これはこれで、神秘的。
ガイドブックを見たら、「霧に包まれていることもしばしば」とありますから、典型的な情景だったのかもしれません。
この宮殿は19世紀前半、ポルトガル女王マリア2世の夫、フェルナンド2世によって、修道院跡に建てられました。
この人がエキセントリックかつアーティスティックな人で、シントラを貴族の社交の場として盛り上げたという話は、前回、この町を訪れた時にガイドから習いました。
フェルナンド2世はドイツ系の人で、宮殿の建設を依頼したのもプロイセンの建築家、ルードヴィヒ・フォン・エシェヴェーゲという人。
だからなのかな、真っ先に思い出したのは、ドイツの有名なノイシュバンシュタイン城でした。
あそこもかなりエキセントリックですからね。
話が前後しますが、ここに入る前に、入場券の自動販売機の前に並びました。
入場券には幾種類かあり、私達が買ったのはペーナ宮殿とその庭、および町なかのシントラ宮殿に入れる券で、二人で€45.60(およそ6200円)なり。
敷地内に入ると、広大な公園を巡回するバスが停まっていて、一人€3だといいます。
最初、これに乗ろうと思って並んだのですが、ちょうど私達の目の前でドアが閉まり、次のを待つよう言われました。
庭にもいくつか見どころがあるようで、惹かれたのですが、霧雨の中、待つのは嫌だったので、宮殿に向かって上りました。
というわけで、もったいなかったのですが、庭はほとんど見ていません。
それで宮殿の建物ですが、これはもう、エキセントリックの一言。
エキセントリックという言葉には、「一風変わった」という意味に加えて、多少、「悪趣味」という意味も込められていると思うのですが、まさにソレです。
夫は「おとぎ話の城か、ディズニーランドか」と言っていました。
そして、「砦のような形をしているが、戦いからは程遠いおちゃらけたイメージ」とも。
王家の夏の離宮という役割だったそうですから、多少、ふざけた装飾も許されたのでしょう。
有名な観光地ですから、観光客が引きも切らず。
日本人や中国人などアジア系の人々もたくさん見られました。
依然として新型コロナ渦中で、アジアからの旅行は殆ど不可能なので、おそらく皆さん、欧州に住んでいる人々だと思います。
何だか、奇妙奇天烈なモノを見たな、という印象を持って、再度、434番のバスに乗り、今度こそ、シントラの町の中心に行きます。