【2019年5月】ノルウェーの首都、オスロの中心街の西方にあるビグドイ半島には、5つの博物館があります。
私達は、この中の一つ、オスロ民俗博物館に行きました。
昔の伝統家屋を移築した野外博物館です。
オスロ・パスを使ったので、私達は無料で入れましたが、入場料は一人160クローネ(約2000円)するとのこと。
私達はパスを見せて、チケットをもらいました。
こういった野外博物館は世界各国にあり、私達はこれまでに、ウクライナのルヴィウや、日本の千葉県などでも訪れましたが、今回、わざわざここに行ったのは、木造のゴル・スターヴ教会を見るためです。
私はなぜか、木造教会に惹かれ、その昔はルーマニアのマラムレシュ地方の教会に感動し、2年前にはロシアのキジ島の顕栄聖堂に感嘆したものですが、ノルウェーにも木造教会が点々としていると知り、一度、見てみたいと思っていたのです。
けれど、実働している木造教会は、なかなか行きにくい田舎にあるようで、そういったところを巡るには、腰を据えてノルウェーを旅行しなければなりません。
いつのことになるやら。。という感じですので、まずは手近に見られる博物館の教会を見よう、というわけです。
ゴル・スターヴ教会は博物館の中の丘の上に堂々と建っていました。
黒い屋根が幾重にもなっていて本当に立派です。
民族衣装を着た案内の人がいたので、聞いてみたら、教会の屋根が黒いのは、水がしみ込まないようにタールを塗っているからなのだそうです。
中は質素で、壁に聖人たちが描かれているところが祭壇です。
近くに案内板が立っていて、それによると、この教会はオスロの南西45キロぐらいのところにあるハリングダル渓谷のゴルというところに13世紀に建てられたものだとのこと。
ビグドイ半島に移築されたのは1884年で、その際、三分の一が元の木材を使ったといいます。
まだ博物館が設立されていなかった1884年にここに建てたのはなぜかというと、当時、ノルウェー国王でスウェーデン国王でもあったオスカル2世が自分のコレクションとして古い建築物をビグドイ半島の公園に集めていたからだそうです。
この教会のほかに4つの建物が集められ、これが世界初の野外博物館だと考えられている、と案内板に書いてありました。
これまでスウェーデンのスカンセン(1891年)が世界初の野外博物館だと思っていましたけれど、確かにこちらが古いようですね。
博物館にはもちろん、この教会だけでなく、移築した古い木造の家々が並んでいました。
農家が主ですが、学校もありました。
屋根の上に草が生えているものも。
ところどころで、民族衣装を着た人々がパン焼きの実演をしていたりして、なかなか楽しかったです。
この日の午後には民族舞踊も披露されたようですが、時間が合わず、見られなくて残念でした。