【2022年4月】ブルガリア第二の修道院、バチコヴォ僧院からプロヴディフに帰ってきました。
バスステーションから町の中心までかなり歩いた上、バチコヴォでのバス待ちで疲れていたので、どこかで一服したい気持ちでした。
それで、雰囲気の良いカフェを求めてうろうろ。
遺跡を覆っているKnyaz Aleksandar I通りから旧市街へ上るSaborna通りへ進まず、脇道を進んでいくと、何やら、カフェやおしゃれな小売店が並ぶエリアに入り込みました。
ナイトクラブやバーなど夜の店も多いところです。
どうやら私達は、それと知らず、「カパナ・クリエーティブ地区」に入り込んだようです。
ガイドブックによると、「カパナ」とは「わな」の意味で、細い路地が入り組んでいて、入り込んだら出られなくなるからそう呼ばれているとか。
調べてみたら、もともとは、プロヴディフがオスマントルコ傘下にあった時に、商業地区として発展した所のようです。
古い記録によると、1652年には880店の店がひしめいていたとのこと。
町の中でも一番、人口が多い地区だったそうです。
その後、大火事→復興→社会主義下での衰退→復興計画→新体制下での計画とん挫→フランスの援助を得て復興再開と、紆余曲折を経て、2019年にこの町が「欧州文化首都」に選定されたのを機に、昔の街並みを残しながら大掛かりな再開発が進み、現在のおしゃれ地区が出来上がったとのことです。
この「欧州文化首都」というのは何かというと、欧州連合(EU)が1985年のアテネを手始めに始めたもので、1年に数都市を指定して、そこで集中的に文化行事を展開する文化事業で、観光客誘引などの経済効果も高いイベントです。
ちなみに今年は、リトアニアのカウナス、セルビアのノヴィ・サド、ルクセンブルクのエッシュが「欧州文化首都」なのだそうです。
当初は、アテネをはじめ、パリやフィレンツェなど大都市が指定されていたようですが、最近の例を見ると、聞いたことのない町も多く、行ってみたい気にさせます。
あ、話がそれましたね。
というわけで、私達はこのトレンディな「カパナ」で歩き回り、一段と疲れたわけです。
私はどこでもいいから、そこら中にあるカフェの一つに座りたかったのですが、夫がことのほか、選り好みをするので、なかなか決まりません。
ようやく入った店では「これから閉店します」と言われ、もう一軒では「外のテーブルで1時間なら」と言われ、結局、どこにも入りませんでした。
歴史のある地区ですが、現在、運営しているのは、ホスピタリティ産業での経験の浅い若者たちで、本物の歓迎精神が欠けている印象を受けました。
私が疲れていたので、そう感じたのかもしれませんけれど。