【2023年12月】少しずつ、元気を回復していたイタリアのパレルモでの年末。
大晦日には、まずプレトリア広場にあるプレトリアの噴水を見に行きました。
病気で寝込んでいたこともあって、全く予習ができていない今回のパレルモでしたが、夫がネットで写真を見つけ、豪華だったので見に行った次第。
彫像がたくさん並んだ大きな円形の噴水で、広場全体を占めているので、全体像を撮るには高い所に上らないと無理です。
広場の一角に教会があって、階段を上って入る形だったので、上から見られるかと思ってそちらへ向かってみましたが、やっぱり体力が不十分で、上る元気が足りませんでした。
この噴水、ネット情報によると、もともとは16世紀半ばに、フィレンツェの庭園に建設されたものだそうです。
1570年代に持ち主が負債を抱え込んだために、パレルモ市に売られたとのこと。
オリジナルは48体の像があったそうですが、運送中に壊れたものもあって数が減ったため、デザインを調整しなければならなかったと書いてありました。
この彫像たち、ギリシャ彫刻のように美しい男子ではなく、そこらにいるようなおじさんの顔だったりするところが面白かったです。
この噴水から、あてもなく歩いていたら、ほど近いところに赤いドーム三つの建物が見えました。
ハマムがあるのかな、と思ったのでしたが、近寄ってみたら、サン・カタルド教会だとのこと。
「じゃあ、きっとイスラム支配下でハマムだった建物をその後、教会にしたんだね」と夫と話したことでした。
入場料が€2.50と安かったので、入ってみることに。
入ってみてびっくり。
いやあ、これは傑作でした。
教会ではありますが、柱とアーチと小さい窓が点在する小さい空間そのものが印象的。
装飾はほとんどなく、やっぱりハマムのイメージです。
床だけは美しいモザイクの装飾が施されてありました。
スペインでよく見る象嵌細工のアクセサリーを思い出す模様でした。
私の頭の中は、すっかりハマムでしたから、「こういったイスラム建築を見に、またイスラム世界にも行きたいね」と夫に言ったのでしたが、調べてみたら、別にこれはイスラム教徒が建てたものではないようですね。
12世紀半ば、ノルマン人のシチリア王国時代に総督だった人のもので、アラブ・ノルマン様式の建築として、ユネスコの世界遺産に入っているのだそうです。
面白いのは、この教会、後に郵便局として使われていたとのこと。
ちょっと想像できませんが。
とても感動して出てきて、そのまま、予約していたレストランに向かったのでしたが、この隣にマルトラーナ教会という名前のもっと煌びやかな教会があったようです。
見逃して残念。
でもパレルモはきっと再訪すると思うので、その時に。