【2018年4月】イタリア中部のアブルッツォ州の町、スルモーナで、ランチの時間になりました。
ガイドをしてくれたグイドが、「以前一度だけ行って気に入った」というレストラン、Il Vecchio Muro を予約しておいてくれました。
前菜にはアルゼンチンのプロヴォレータに似たチーズ料理と卵料理を取って分けました。
特にチーズが美味しかったです。
私のメインは豚のメダリオンで、割とあっさりシンプルな味。
夫は骨付き豚でしたが、ドイツなどで食べるのと異なり、柔らかくて脂っぽくなく、良い味わいでした。
グイドはチーズでできた容器に入ったパスタを食べていました。
これも美味しそう。
ワインは地元のモンテプルチアーノ・ダブルッツォで、アルコール度が14度あるしっかりした赤。
気に入ったので、例によって後でオンラインで注文しました。
食後、スルモーナ郊外にあるコンフェッティの工場兼博物館へ。
スルモーナはコンフェッティと呼ばれる糖衣アーモンド菓子のメッカです。
町のあちこちに色鮮やかなコンフェッティが売られています。
私達が行った工場は1783年創設のペリーノです。
今でこそ、手軽に買えるコンフェッティですが、昔々は砂糖が貴重品だったため、上流階級のお金持ちが特別の機会にやり取りしたものなのだそうです。
今でもプレゼントには欠かせない物だそうで、グイドによると、白いコンフェッティはウエディング用、赤は大学卒業時、ピンクは女の赤ちゃん、青は男の赤ちゃんの誕生用だそうです。
ちなみに、結婚祝いにあげる際には、その数は奇数でなければならないそうです。
というのも、奇数は2で割れないことから、ゆるぎない結婚生活を意味するほか、二人の間に子供が生まれて家族が奇数になることを祈って、という意味もあるのだとか。
町なかで売られている凝った花型のものは観賞用。
コンフェッティはいつまでももつのだそうです。
コンフェッティが歴史上の文献に現れるのは15世紀末。
18世紀初めには、スルモーナに12のコンフェッティ工場があったという記録があるそうですが、現在は9つだそうです。
博物館内には、かつて使われた道具類や、昔のお菓子の箱などの展示がありました。
作る工程を見せるビデオも見ましたが、働ているのは皆、女性のようでした。
貰ったパンフレットによると、現在でも1800年代から使われている銅の容器を使っているとのこと。
特に、一番伝統的なアーモンド入りのコンフェッティ造りには、この容器が良いのだそうです。
今では、アーモンドだけでなく、ヘーゼルナッツや、何と、コリアンダーの種の入ったものなど種類はいろいろ。
チョコレート入りもあるのですが、これは比較的、最近開発したものだとのこと。
チョコ入りのを試食したら、昔懐かしいマーブルチョコの味でした。