【1996年8月】中国の昆明から、周辺の観光名所として名高い石林へ行きました。
昆明の中心街で石林行きのミニバスを見つけて乗り込みました。
ところが車掌の女性が「シリン、シリン(石林の読み)」と必死に客引きをするのですが、一向に客が増えないため、ミニバスはその周辺を2時間ほども回り続けました。
結局、客が少ないまま出発し、途中の店で、中国人の観光バスに乗り換えさせられ、目的地に着くまでに4時間ほどもかかりました。
個人旅行はうまく事が運ばないこともあるものです。
石林の国立公園に入るのに33元(当時、1元=約13円)。
その中にある石林飯店に泊まる計画でした。
この近辺に住むサニ族という少数民族の日本語を話す女性とそのお母さんと伯母さんがついてきて、ホテルに案内してくれました。
このホテルは一泊300元と高かったのですが、それにしてはうらぶれていました。
50元だという国営ホテルも覗いてみましたが、あまりにひどかったので、当初の予定通り、石林飯店にしました。
私達が国立公園に着いた時には、観光客がかなりいたのですが、どうも、石林は昆明からの日帰りコースらしく、私達がビールを飲んで一服していると、人がどんどん減っていきました。
ホテルから一歩踏み出すと、先ほどのサニ族三人組がやってきて、ガイドをしてくれるといいます。
ガイドの料金を尋ねると、ガイド料は要らないが、後でサニ族の土産屋を見てほしいということでした。
石林は、数日前の陽朔に劣らず、不思議な所です。
黒い尖った岩がにょきにょき立ち並び、地球の風景とは思えません。
時間が遅かったため、人が少なく、光の加減もよく、期待以上に楽しめました。
サニの人々の案内なしでは、これほど効率よく歩けなかっただろうと思います。
ただ、岩の性質のせいか滑りやすく、しりもちをつきましたが。
石で叩くと、カーンと金属音をたてる岩があったり、「自然のカラオケ」と案内された音響の良い所では、年長のおばさんが裏声を張り上げて歌って見せてくれました。
案内してくれたおばさん二人は民族衣装を着ていたのですが、これを観光客に着せて、写真を撮るサービスも。
1時間余りのツアーの後、約束通り、彼らの住む村へ移動しました。