【2018年5月】イタリアのサルディニア島の町、アルゲーロでの二日目は、天気予報通り、どんよりして今にも降り出しそうな様相です。
とりあえず、また、旧市街と港の方を散歩。
天気が悪いと、海の色も沈み込んでいます。
この町は、歴史が面白そうなのですが、ここにはウォーキングツアーもなく、英語のガイドブックも売っていません。
写真集のようなのはあるんですけれどね。
港には何艘か、鍾乳洞行きの船が並んでいたので、これに乗ることにしました。
船代が一人15ユーロ、それから鍾乳洞に入るための料金が一人13ユーロでした。
行先は、グロッタ・ディ・ネットゥーノという鍾乳洞で、アルゲーロが向かい合っているカッチャ岬にあります。
岬までは結構な距離があり、船で45分かかりました。
鍾乳洞に近づくと、崖に階段があり、人々がそこを降りて来るのが見えました。
陸路、この鍾乳洞を目指すと、この階段を使わなければなりません。
ネット情報によると、「鹿の階段」とか「ヤギの階段」とか呼ばれているそうで、656段もあるとのこと。
下りはともかく、上りを考えると気が遠くなります。
ガイドブックには階段を降りるのは「わくわくする体験」と書かれてありました。
崖沿いなので、高所恐怖症気味の私や夫にはきっと、「ぞっとする体験」に違いありません。
船を使ってよかった・・・。
この鍾乳洞、イタリアでは最大級だそうです。
訪れる人は皆、ガイド付きの約30分のツアーに乗らなければなりません。
案内されるのは580メートルほどの遊歩道に沿った部分ですが、公開されていない部分が多いそうです。
入ってすぐの海水の湖は深さが10メートルほどもあるとか、柱の高いものは18メートルあるとか、そんな案内を聞きながら進みます。
中に「スミスの部屋」という部分があるのですが、スミスというのは19世紀にこの鍾乳洞を徹底的に探検した英国人の名前だそうです。
200万年かけて雨水が作り上げた芸術。
その壮大な時間を考えると、人間の一生は、何とちっぽけなんだろうと思わずにいられませんでした。
こういった鍾乳洞は、素人にはどこも似たり寄ったりですが、久しぶりだったので、すごく楽しかったです。
洞窟から出たら、天気が一転。
すっかり晴れ渡っていて、海も息を吹き返したような青さです。
沿岸の美しい景色を楽しみながら、アルゲーロに戻りました。