【2013年5月】狂気の王と呼ばれるバイエルン王国のルードヴィヒ二世の棺が、ミュンヘンのミヒャエルスキルヒェにあります。
駅からマリーエンプラッツに向かう目抜き通りにある白い教会です。
昔々、ヴィスコンティの映画を見てからルードヴィヒには親しみに似たものを感じているのですが、ここで眠っているのは知りませんでした。
彼は学者肌の父親に厳しい教育を受けて育ち、シラーの文学やワーグナーの音楽に陶酔。
長身で見目が良かったようで、18歳で王位についてしばらくは人気が高かったようです。
けれど、世間で評判が悪かったワーグナーをひいきにしたことや、戦争での敗北、財政難などが原因で、州政府や他の貴族らと不和になり、地方に建てた城に引きこもりがちになったらしいです。
本当に精神的に病んでいたのか否かはともかく、耽美的だったのは確からしく、三島由紀夫や、イタリアの詩人、ダヌンツィオなどと同類の人だったのかなと思います。
最終的には退位させられ、その翌日の1886年6月13日に湖で死体が発見されるという謎の死を遂げているところが、人々を惹きつける元になっているのでしょう。
ちなみにツアーのガイドは「もっと長生きして城をたくさん築いてくれれば、もっとたくさんのツーリストを呼べてよかったのに」と言っていました。
教会の中では、パイプオルガンが流れていて(練習だったようですが)、とても穏やかなよい雰囲気でした。