【2019年4月】北イタリアのロンバルディア州の町、ローディの大聖堂は広々とした広場、ピアッツァ・デッラ・ヴィットリアに面しています。
外観は割とシンプルな煉瓦造り。
いかにも古そうな型崩れしたライオンが正門を守っています。
後で調べたら、12世紀のライオンなのだそうです。
入ってみたら、かなり大きい空間。
ローディは単なる小さな地方都市と見下していましたが、この立派さを見ると、かなり重要な都市だったことが分かります。
ロンバルディア州の中でも屈指の大きな大聖堂だそうです。
この大聖堂は、1158年に建て始められたとのこと。
この当時、イタリアには都市国家がたくさんあり、国家間の争いが絶えなかったといいますが、ローディは1111年にいったん、ミラノ勢に滅ぼされたのだそうです。
その後、立ち直って、都市を再建したのが、この1158年。
従って、町と大聖堂は同い年というわけです。
地下聖堂を含む一部が完成したのが1163年で、落成式にはバルバロッサ(神聖ローマ皇帝、フリードリヒ1世)が来たそうです。
その後も改築、増築が繰り返され、建築様式も部分によってロマネスク様式だったりゴシック様式だったりするとのこと。
鐘楼が足されたのは、16世紀に入ってからだそうです。
内部の壁に、ところどころ美しいフレスコ画が残っているのですが、これは主に15世紀のものだとのこと。
その頃には、壁中がフレスコ画だったのでしょうか。
そうだとしたら、ジョージアなどの正教会の教会のように、壮観だったことでしょう。
一番古い部分である地下聖堂には、立派な棺が置かれていました。
入っているのは、ここの守護聖人で、4世紀に生きた聖バッシアヌスだそうです。
また、もっと近代的な墓場も付設してあり、司祭たちのものと思われる棺が並んでいました。
正面の祭壇に向かって右の方に階段があり、そこを上ると、宗教芸術の博物館になっていました。
展示物より、見事な天井が印象的でした。