【2015年7月】南イタリアで滞在したロッチェッラ・イオーニカから少し南に下ったところにある、ロクリという町を訪れました。
というのも、ここは古代ギリシャの町だったところで、遺跡や博物館があると分かったからです。
ところが、行ってみたら遺跡・博物館の大部分が工事中で入れません。
米語を話す恰幅の良いおばさんが一人で切り盛りしているようでしたが、「入れるところが限られるから、本も含めて二人で10ユーロでいいわ」。
展示物はそれなりに面白く、特に顔の彫刻は、写真のように、普段見慣れたギリシャ彫刻とは違った顔つきで、ちょっとアジアっぽい気がしました。
外には古代の劇場跡などもあるそうですが、見られるところは本当に限られていました。
どの世界にもポリティクスがあるようで、このおばさんキュレーターは「この地域の文化事業を管轄するボスが、古代ギリシャの専門家じゃないのよ。
だからここはないがしろにされている」と嘆いていました。
工事は延々とかかっている様子。
宣伝も足りないようです。
たまたま居合わせた見学者が南イタリアの大学で考古学を専攻した人だったのですが「ここに、こんな重要な遺跡があることを教わらなかった」と話していました。
キュレーターは「是非、この博物館のことを書いてください」と言っていました。