【2021年9月】イタリアのフィレンツェの名所の中で、入ったことのなかった所の一つがヴェッキオ宮殿です。
なので今回、事前に予約して行ってみることにしました。
コロナ対策の一環で、屋内に入るには、予約とグリーン・パス(ワクチン証明)が必要です。
ヴェッキオ宮殿は、ネットゥーノ(ネプチューン)の噴水をはじめ、ミケランジェロのダビデ像のレプリカなど、有名な彫刻がたくさん並んでいるシニョリーア広場にあります。
外観はごつい砦のようで、95メートルあるというアルノルフォの塔が目立っています。
この塔は別料金で登れるそうですが、雨の日や風の日には閉鎖されるとか。
ガイドブックによると、ここは14世紀初めに市庁舎として建てられ、今も使われているそうです。
一時、メディチ家のトスカーナ大公コジモ1世が住んでいたこともあり、その際に、彼のお気に入りの芸術家だったジョルジョ・ヴァザーリが内装を大改装したとのこと。
そういえば、数年前にアレッツォにあるヴァザーリの家に行ったことがあります。
ヴァザーリは、ミケランジェロの弟子だった人で、作品を続々と素早く作り出すことを誇りにしていたとガイドブックに書いてあります。
ミケランジェロがそれについて「性急さが作品に表れている」と非難したとか。
さて、宮殿に入場すると、まず美しいパティオがあって、その先の薄暗いところで予約とグリーンパスがチェックされました。
中に入ると、殺風景な外観からは想像しがたい豪華な「XXの間」が続くわけですが、中でも500人広間と呼ばれる大広間には圧倒されます。
1560年代のメディチ家の権力を示していると言われているそうです。
プラスチックの椅子が並んでいて、ここが今も使われていることが分かりました。
天井画や壁絵が豪華な部屋がいくつもあり、それぞれに説明書きがありました。
中で心に残ったのは、お偉いさんのキスを拒んだ気骨のある娘の絵。
説明書きによると、フィレンツェの独立性を表しているのだそうです。
それから、フィレンツェ出身の有名人としてはダントツの、ダンテの顔の彫刻もありました。
これは長く、ダンテのデスマスクだと思われていたものだとか。
地図の間もありましたが、日本地図がまるでクレタ島のようにぺしゃんこに表されていたのには笑いました。
途中、バルコニーに出られるようになっていて、そこからは、サンタ・クローチェ教会とその周りの家々のレンガ色の瓦屋根が続く風景が見られました。
今回上らなかったアルノルフォの塔に上ったら、眺めはもっともっとスゴイのでしょうね。
なんでも、416段ある階段を上らなければならないそうですが。