【2022年4月】ブルガリア南西部の村、メルニックでたっぷり食事をした後は、村を散策しました。
ホテルの青年、アントワンに教わった通り、まずは、Bolyaskata Kashta という遺跡を探しました。
ここは、ブルガリア最古の家の一つで、10世紀に建てられたものが廃墟になっているのだそうです。
上り坂の途中に、それらしいものがありましたが、今一つ、標識がはっきりしていなくて、よく分かりませんでした。
その近くにSveti Antoni 教会の跡もあったらしいのですが、これも分からずじまい。
ガイドブックによると、メルニックにはその昔、70もの教会があったそうですが、今は40しか残っておらず、しかもほとんどが廃墟になっているとのこと。
ワイン造りのおかげで栄えて、一時は2万人の人口があったそうですが、今は400人未満だそうです。
20世紀初めのバルカン戦争の時に、ほとんど壊滅的な状態になったためらしいです。
かつてギリシャ人も多く住んでいましたが、この戦争の時にギリシャ軍がギリシャ人住民を強制移住させたのだとか。
今は平和そのもののような穏やかなこの村にも修羅場があったわけですね。
坂を上ると、見晴らしがよく、独特の砂岩の山を背景にして建ち並ぶ伝統家屋の景色が素晴らしかったです。
それから、この村の観光の目玉、Kordopulov Houseへ。
1754年に建てられたこの大きな家は、メルニック最大のワイン商のものだったところで、今は博物館として一般に公開されています。
アントワンが「ギリシャ人の家」と言っていたので、このワイン商はギリシャ人だったようです。
昔の部屋の様子が再現されているのですが、花柄の絨毯が敷き詰められた床に低いテーブルが置かれ、窓際にクッションが並べられた腰かけがある風景は、ギリシャというより、トルコのイメージ。
私は、10年近く前に行ったクリミア半島のバフチサライにある宮殿の部屋を思い出していました。
窓がステンドガラスの部屋があったり、天井には繊細な木の彫刻があったり。
木製の階段は、むしろ、日本の九州にある祖母の昔の家に似ていました。
下の階には、ワインセラーへの入口が。
この中にも入れるようでしたが、狭い洞穴のようなところは夫が苦手なので、行くのをやめました。
ガイドブックによると、180メートルの迷路のようなトンネルがあって、壁にコインが埋め込まれているところもあるそうで、見る価値はありそうです。