【2012年11月】ゴンドラが並ぶベニスの海の風景をうっとりと眺めていると、そこへ、のっそりと巨大なクルーズ船が視界に入ってきます。
クルーズ船は今、ベニスで賛否両論、喧々諤々の論争の的になっています。
クルーズ船がいつからベニスに寄航するようになったのか、ちょっと調べても分かりませんが、私が9年ほど前、最後にベニスを訪れたときには見た覚えがありません。
地元の報道によると、その数は過去15年に3倍以上に膨れ上がったといいますから、過去には見るほうが珍しかったのかも。
現在ではピーク時には、一日3万人もの観光客が船から吐き出されるんだそうです。
クルーズ船に反対する人々は、景観を損なうだけでなく、すでに古くて壊れかけている(そこが良いところですが)ベニスの環境バランスを崩すと警戒感を強めています。
半面、今回私が乗ったゴンドラの船頭さんのように「そんなこと言うのは大金持ちのコミュニストだ」と反発する人々も。
クルーズ船は港に停泊するたびに、150000ユーロを支払っているほか、3000人の雇用創出にも寄与しているとのことで、経済面で大きな貢献をしているようです。