【2023年4月】イタリアの最高峰、モンテ・ビアンコから下りた後、バスでヴァッレ・ダオスタの州都、アオスタに戻ってきました。
ほんの1時間ほどの道のりですが、アオスタの方がだいぶ暖かかったです。
今夜の宿は、Omamaという名前のキッチュなホテル。
一応四つ星ですが、部屋はまるで子供部屋のようで、カラフルな動物の絵や置物が。
エレベーターの中にはジャングルのような絵が掲げてありました。
そもそも、アオスタのバスステーションからホテルへ歩いていた時、あれは幼稚園かな、と思った建物がホテルだったのでした。
ここに2泊します。
この日の夕食は、ネット情報で評判の良かったLa Vache Folle というホテルのすぐ裏のレストランで。
表を見た限り、閉まっているかのようでしたが、入ってみたら、すでに人がたくさん。
長いあごひげを三つ編みにした禿げ頭のおじさんがオーナーで、その家族かもしれない年配の女性二人が働いていました。
天井には無数のカウベルがぶら下がっていて、壁の一角には格好いい牛の毛皮のジャケットも飾ってありました。
前菜はいつものように、サラミとハムの盛り合わせ。
ハムの類は、普通イタリアで見るのとは異なる内容だったのですが、説明がなかったので、何だったのやら。
メインにはEntrecote grilled + aromatic sale という肉料理。
お肉は美味しかったのですが、添えてあった塩が、どうアロマティックだったのかは分かりませんでした。
少量のサラダが付いていたのですが、オリーブオイルとバルサミコ酢を自分でかけるイタリア流ではなく、すでに、いわゆるフレンチドレッシングがかかっていました。
こういうところにも、フランス国境際の土地柄が表れているようです。
夫は、Carbonada という名前のビーフシチューと、ポレンタ。
少し貰ってみたら、マイルドな味わいでした。
ワインはハウスワイン1/2リットル。
さらに、ディジェスティーボ(食後酒)がサービスされました。
3本がどんとテーブルに置かれ、勝手に飲んでくれとのこと。
アルコール度が28%、40%、55%の3本でした。
私が飲んだ28%は、タバコ入り蜂蜜酒で、飲みやすくて美味。
夫はグラッパのような55%を選びましたが、美味しいと言っていました。
ラベルには、イタリア統一に反対したこの辺りの勢力が密輸していたお酒、といったことが書かれていました。
これだけ、食べて飲んで、お会計はなんと、€59(9400円ほど)と格安。
美味しい料理、破格なお値段、面白い空間と三拍子そろっていたのですが、また行きたいかと聞かれたら、Noです。
というのもスタッフに笑顔が全くなかったのです。
これはサービス業として致命的でしょう。
オーナーは始終、怒ったような顔つきだったし、働いていたおばさん達の表情も暗かったのです。
私の想像するところ、髭のオーナーのプライドが高過ぎるのではないかと思います。
自分の主義主張を第一義とするのではなく、お客さんが皆、気持ちよく食事ができるようにするのがレストラン業の基本でしょうに。