【2010年3月】キューバのトリニダでは楽しいことが山盛りだったのですが、その一つはサルサ教室です。
キューバの人は音楽好きで、あちらこちらで生の楽団の演奏が聞けるのですが、それに合わせて踊る彼らの姿がかっこよくて、私達も少しだけでも習いたいと思ったのでした。
旅行会社のカルロスを通して予約してもらった「教室」は、店やエージェントが入った雑居ビルの中庭の廊下。
アフロヘアのお兄さんと、細っこい金髪の若いお姉さんが対応してくれて、2日に渡って基本ステップを習いました。
最初は嫌がっていた夫でしたが、やってみると、嫌がったほどには下手ではなく、ちゃんとリズムに乗っています。
後で、「僕もラテン系だから」と言っていました。
2日目には、先生が、使った曲を寄せ集めたCDを作っておいてくれて、それを買いました。
今でも時々、聞いています。
そして、何を隠そう、この時のレッスンがあまりに楽しかったので、その後しばらく、イタリアで二人して本格的にサルサを習ったほどです。
この中庭では、地元民に混じって、本場のモヒートを味わいました。
二日目のレッスンの後は、この日がトリニダでの最終日だったので、お土産を買いつつ、とても気に入ったこの町を再度、歩き回りました。
色とりどりの家々、ごつごつした石畳を走るクラシックカーや馬車、陽気な人々・・・。
全体的におっとりした雰囲気の町で、訪れたキューバの町の中で、一か所だけ連れて行ってくれると言われたら、私も夫も迷わずトリニダを選ぶでしょう。
町歩きの後、いったんホテルに戻り、着替えました。
というのも、この日の夕食は個人のお宅にお邪魔していただくことになっていたからです。
ちなみに、外出から帰ると、ホテルの部屋のベッドの上には、毎日、タオルで作った人形が置いてありました。
お掃除の方の力作です。
隅々まで、明るい気質の人達だなあと思ったことでした。
個人のお宅での夕食も、カルロスがアレンジしてくれたものです。
招いてくれたのは、その昔、大学教授だったテレサさんという元気なおばあさん。
コロニアル建築風の趣のある大きなお宅で、庭にある樹齢100年を超えるというマンゴの木がご自慢。
お料理は、チキンとポークの素朴な家庭料理でしたが、味は良かったです。
鶏も豚も、自然の中を闊歩しているから、肉が引き締まって味が良くなるのでしょう。
私がその昔、日本の旅館で1000円で買ったレース編みのスカートを履いていたら、編み物が趣味だというテレサさんと、お手伝いの方がしげしげと眺めていて、こっぱずかしい思いをしました。
ほんの一時間ほどの家庭訪問。
上っ面をなぞっただけとは分かっていますが、これも面白い体験でした。