【2020年7月】イングランド南西部、コーンウォール州のルーでの最終日、最後なので、二人とも立派な朝食を選びました。
私は分厚いベーコンと目玉焼きとトマト、夫はハドック(タラの一種)とポーチドエッグ。
私達は朝からしっかり食べることには慣れていないのですが、たまにはこういうのもいいかも。
宿のチェックアウト時間が10時だったので、その頃にチェックアウトをし、荷物を置かせてもらいました。
帰りの列車は午後2時過ぎ発だったので、しばらく時間があります。
ルーは小さい町なので、大方のところは歩いてしまっていましたが、ルー川の上流の方へは行っていなかったので、そちらへ向かって歩きました。
宿と同じ、ウエスト・ルー側です。
この日も良いお天気。
豊かな緑が川に映る静かな自然の光景を楽しみました。
ただ、巨大な駐車場があったのがなんでしたが。
おそらく、プリマス辺りから週末に、家族連れで車で来る人々のためでしょう。
あまり遠くへ行く時間はないので、ほどほどのところでルーの町に戻りました。
ところで、この町の繁華街のメインストリートは フォー・ストリート(Fore Street) という名前です。
去年行った同じコーンウォール州のセント・アイヴスのメインストリートも同じ名前でした。
宿のランドロードが初日だったか、「イングランドではハイ・ストリートというけれど、コーンウォールではフォー・ストリートなんだよ」と教えてくれました。
「へえ、コーンウォールもイングランドじゃないのか」と夫は驚いていましたが、確かにコーンウォールには独特の言葉が存在していたのでした。
ほとんど廃れてしまったようですが。
このフォー・ストリートの途中に床屋さんがあることは前から気付いていました。
まだ時間が多少、あります。
コロナ禍中、床屋や美容院は長く営業停止されていましたが、7月から再開が認められています。
女性である私は、伸びた髪を結べば良いわけですが、5か月ほど切っていない夫の髪はもう、タイヘンなことになっていました。
それで意を決して、この床屋に入ることに。
夫は旅先で散髪することで知られます。
ここは小さい店ですが、入った時には他にお客さんがいなかった上、理容師さんはちゃんとフェイスシールドや手袋を付けていましたし、大丈夫そうです。
私は外のベンチで待っていました。
男性の散髪はあっという間。
さっぱり、すっきりして出てきた夫でしたが、この店は現金払いのみとのこと。
私のお財布からキャッシュを出しました。
コロナのせいで奨励されなかったので、ここ4か月ほど、現金には触っていませんでした。
そして、そのお値段は£12(1650円ほど)と破格でした。
その後、ほっとベンチに腰を下ろした時、目の前に「カモメに餌をやるべからず。カモメは凶暴です」と書かれた看板が目に付きました。
ルーにはカモメが山ほど。
宿で、夜中2時頃にふと目を覚ました時にも、カモメの鳴き声が続いていました。
去年、セント・アイヴスに行った時にも書きましたが、ヒッチコックの映画で有名な「鳥」の原作はダフネ・デュ・モーリアという女性の作家です。
彼女はコーンウォールをよく訪れていたそうで、この辺りのカモメが「鳥」の源であるに違いありません。
その後、宿に荷物を取りに行ったら、ランドロードのコリンもカモメの被害の話をしていました。
話の発端は、彼らが毎年、冬場にはスペインのテネリフェ島に行くという話から。
「太陽が注ぐ良い景色を見ながらコーヒーを飲むのが楽しみで」と彼が言うので、「眺めの良いお宅のバルコニーで飲めばいいじゃないですか」と言ったら、「あそこはダメダメ。カモメが来ます」ですって。
彼自身や、彼の孫など、戸外でモノを食べていて、カモメに襲われ、食べ物を奪取されたことが何度もあるそうです。
恐るべし、カモメ。
恐い目をしていますものねえ。
幸い、私達はカモメの被害を受けることなく、無事に小旅行を終えました。
列車については、行きに体験済みでしたので、驚くことなく空いた車両を探して腰かけました。
ただ、帰りには一度も切符がチェックされず、無銭乗車でもまったく構わなかったというところが気に入りませんでしたが。