笑いが止まらぬ海の色 4

ナポリのおばちゃんの家庭料理にかなり満足して、サン・ドミノへ戻るボートに乗り込む。

すると米国人団体が乗っていて興ざめ。

トレミティ諸島は世界的には知らない人も多く、こんな素敵なところをプロモートしないのはもったいないと思う半面、宣伝すると島中が中国人で埋め尽くされる恐れも多分にある。

米国人が10人ばかりいただけでがっかりするんだから、やっぱり宣伝は控えたほうがいいかも・・・。

サン・ドミノではビーチで泳いでいる人を上から眺められる位置に壊れたベンチを発見。

ちょっと一休みと寝転がったら、しばし眠ってしまった。

無謀だ。

すっかり日焼け(やけど?)してしまった。

そうだ、このベンチ辺りには茶系の中に鮮やかな緑色のあるトカゲがたくさんいて、私の脚にも上ってきた。

すみませんね、お邪魔して。

帰りのヘリコプターは満席近かった。

窓際の席になれなかったら悲惨だと心配したが、わざとゆっくり行って最後に乗り込み、窓を確保した。

といっても行きがけと同じ側だったが。

まあ、今回は晴天の中を飛んだので、景色がまた違って面白かったが。

同乗した客の中に島側の従業員の奥さんと友達がいて、彼らは荷物検査なしで乗り込んだ。

多分、無料で。

その人たちのおしゃべりで分かったが、冬場は観光客がおらず、客席が二つだけの小型ヘリを使うのだそうだ。

本当にのんびりしていて、行きがけのフォッジャ側の空港にいた婦警さんは二人の子供連れで勤務していた。

今夜の宿、トラニに向かう。

思ったより大きい町だったのはもとより、人がごった返していて驚いた。

町の大通りと思われるところには、ミナレリオも点灯していた。

ミナレリオってクリスマスの飾りだとばかり思っていたのだが。

きっとこの町の聖人の日かなんかだろうと思って、ホテルの人に聞いてみたら「トラニは初めてですね。

ここは毎週、こうなんですよ」だって。

あきれた。

ホテルに着くまでも車は渋滞するし、人は右往左往していて大変。

ホテルには駐車場がなく、これを見つけるのも一苦労・・・と思いきや、交通整理の人にアドバイスをもらおうと声をかけたら、遠くから来たんだね、と特別に港周辺の仕切り内の身障者用のスペースに入らせてくれた。

ラッキー!

泊まったホテルがまたスゴイ。

もとは修道院だったところでそれなりの趣がある。

そして部屋に入ってびっくり。

何しろ、とっても広いのだ。

天蓋つきのベッドがあって、窓からの景色も最高。

港を挟んで向こう側に大聖堂が見える。

そしてもっと驚いたのはバスルームの広さ。

ここでパーティーができるんじゃないの、ってぐらいに広かった。

修道院跡というから、牢屋みたいに小さい部屋を想像していたのだった。