【2018年9月】去年、オランダのアムステルダムで参加した、アーバン・フォト・レース(UPR)が今年はロンドンでも開催されました。
UPRとは、丸一日写真を撮って提出する一種の写真コンテストです。
ロンドンは今年が初めて。
ロンドン東部の集合場所のカフェで、主催者のベネズエラ人女性がこのイベントの歴史をざっと説明しました。
彼女がアムステルダムに持っているスペースをどう利用しようか考えていた時、ポルトガル人の友人が、何度も参加して賞を取っているというポルトガルでのフォトマラソンのことを知り、アムステルダムでも開催しようと思い立ったのだそうです。
彼女自身は写真には全く無関係で、生物学者なのだとか。
以後、アムステルダムで8回開催したのに加え、ロッテルダムやベルリンでもやっているとのことでした。
そして最初の三つのテーマと次の集合場所を聞いて解散。
そのとたん、雨が降り出しました。
まあ、ロンドンは雨が多いので有名ですから、ロンドンらしい写真が撮れると言えば、その通りですが、雨の中、歩き回るのは結構、骨の折れることです。
最初に出された三つのお題は①ロンドンっ子だけでなく②はいて捨てるほど③より優れたーーの三つ。
レインコートのフードを被ったり、時には傘を差しながら、目に付く物を撮りながら、ロンドンのシティ(国際金融街)の方向へ歩きました。
そして、次の集合場所がミレニアム・ブリッジ方向だったので、バンク駅から地下鉄に乗って移動。
この辺りには旅行者が多く、テーマ①に当てはまるかなと思える写真が何枚か撮れました。
私達がイタリアでよく参加するフォトマラソンでは、一つのテーマに一枚の写真を提出しますが、UPRでは、一つにつき、三枚提出しないと失格です。
その代り、テーマは、フォトマラソンより少なく、全部で六つとなっています。
午後一時の集合時には④これがベスト⑤不気味なロンドンの二つのテーマが出されました。
そして次の集合がソーホーの方だったので、そちらに移動し、リージェントストリートの近所にある韓国焼肉屋でお昼。
食べながらも、④のテーマになるかなと、食べ物の写真を撮りました。
四時の集合場所はフォトグラファーズ・ギャラリー。
そして最後のお題は、そのギャラリーで展示されているティッシュ・マーサという写真家が撮ったソーホーの写真を見て、それから着想を得た写真を撮るというものでした。
これは私には難題。
というのもこの写真家の写真は、ソーホーのセックス産業を白黒で撮った記録写真のようなものだったのです。
きっと写真学校などでは、こういったテーマで写真を提出せよという課題があるのだろうな、と思いながら、何とか数枚、それらしい写真を撮りました。
そして、一度、自宅に戻り、撮った写真をパソコンに落とし選び、それをメモリースティックに入れて、また出発。
UPRはその日のうちの提出が義務付けられているのです。
最後の集合場所のカフェで、提出してほっ。
このカフェでは参加者がパソコンとにらめっこして、微妙な調整に励んでいました。
私達はあるがままの写真が好きなので、面倒なコンピューター処理はしませんでしたが。
このカフェでは主催者の女性と少しおしゃべり。
今回は、全18枚を提出した参加者の中からトップ3を選び、3人の写真の中から審査員が気に入った写真を1枚選ぶという話でした。
夫がすかさず、「それじゃ、多くの参加者が浮かばれない。参加者を増やしたいなら、多くの人に賞が行き渡る制度にしなくては」と注文を付けていました。
私もその通りだと思います。
いずれにしても、雨の中、我ながら、よく歩き、よく撮ったと感心。
何とも言えない充実感にココロが満たされました。