【2021年7月】全般的にはパッとしなかったイングランド南東部の海辺の町、マーゲイトでしたが、行ってみて良かったと思った所が一か所だけあります。
それは、シェル・グロットです。
シェル・グロットとは、その名の通り、貝でできた洞窟。
事前にマーゲイトの見どころを検索していてヒットしたものです。
例によってコロナ対策の一環で、事前予約が必要だったので、私達は午後3時に予約して行きました。
入場料は一人£4.50(680円ほど)とリーズナブルです。
混みあうビーチから離れ、内陸への道を歩くのですが、まずは、小さいながら骨董品店が並ぶ一角を通ります。
この骨董街をちょっとした観光目的地にしたい意図は感じられましたが、規模が小さすぎました。
そこからさらに進むと、左手にチューダー・ハウスという古色蒼然とした家屋が現れます。
ネット情報によると、ここの中も見られるそうですが、私達が行った時には固く閉ざされている様子でした。
この道をまだまだまっすぐ進み、歩き疲れたころに左に曲がる道を覗いてみると、シェル・グロットの看板が見えます。
普通の店のようですが、ここに入って予約してある旨を告げると、奥に進むように言われ、行ってみると洞窟に下りる階段がありました。
下りるとまず、普通のトンネルがあり、そこを少し行った先に、予約するときに写真で見た美しい貝の壁が続く洞窟があります。
本当に細かい細工で、とてもきれい。
もらったパンフレットによると、使われている貝の数は460万個に及ぶそうです。
洞窟の長さは30.7メートル。
一番奥は開けた空間になっていて、教会だったかもしれないとのこと。
1835年に発見されたものらしいですが、いまだに、いつ誰が何のために作ったのか、分かっていないという話です。
夫がネットで調べたところ、子供が偶然、発見し、親が商機とみて、辺りの土地を購入し、ツーリストアトラクションとして、1838年に一般公開し始めたのだそうです。
今も個人所有の観光地だからか、入口の店になんとなく素人くささが感じられました。
この貝の壁に似たものを、去年行ったイングランド南西部の村、ポルペロでも見ましたので、英国の海辺では珍しくない細工なのかもしれません。
でも、ここは規模が大きい上、しかも洞窟というセッティングが素晴らしく、これは一見の価値があるなあと思いました。
実態が分かっていないというミステリーにも惹かれますし。
パンフレットによると、全体に20近くのパネルがあり、それぞれ、テーマに沿った装飾がなされているとのこと。
薄暗かったので、写真が思ったほどうまく撮れなかったのが悔やまれます。
さて、ここを見終わっても、まだ日が高かったのですが、私達はもう帰ることにしました。
ビーチにあふれる大衆が帰る前の時間なら、列車もまだ空いているだろうと思って。
正解でした。
行きの列車は恐怖に満ちていましたが、帰りは落ち着いて、うとうと眠ることもできました。
シェル・グロットは良かったですが、マーゲイトを再度、訪れることは、たぶん、ないだろうなあ。