【2022年12月】スペイン西部の町、サラマンカでの二日目は観光に充てました。
外に出たのは午前10時過ぎでしたが、この時間にはまだ陽が低くて、寒かったです。
観光案内所のお兄さんは丁寧で親切。
地図に要点を記してもらい、オープン時間などを教えてもらいました。
といのも、この日は大晦日。
どこでもフル回転しているわけではなかったのです。
こういう町の観光は、ウォーキング・ツアーが便利で面白いのですが、残念ながら、英語のツアーは個人向けをアレンジしなければならず、高いうえ、急な要請には応えられないとのことで、諦めました。
かなり大きい世界遺産の町ですが、海外からのツーリストは少ないのでしょうか。
というわけで、自力で観光することに。
大切なのは大聖堂だというので、まずはそちらに直行。
新旧の二つの大聖堂がくっついて1セットになっていて、1人€12(約1800円)と書いてあったのですが、窓口のおばさんにどこから来たのかと尋ねられ、日本とイタリアだと答えたら、なぜか団体扱いにしてくれ、1人€6になりました。
QRコードに携帯電話をかざして、音声案内が聞けるのですが、こういうのは詳しすぎるので、私は子供向けバージョンを試してみました。
それでも詳しすぎて、なかなか前に進めないのであきらめた次第。
まず入ったところにあるのは新大聖堂です。
なにしろ巨大。
サラゴサもしかりでしたが、スペイン人は教会に関して、大きいことは良いことだという思想らしいです。
一番見ごたえがあったのは、聖歌隊席。
ここでちょっと子供向けの説明を聞いてみたら、二層になっていて、上の段が50席超、下が40席超。
上部にあるパイプオルガンのパイプは2300本超あるそうです。
それから目を引いたのは主祭壇の上のドーム。
柱の装飾とともに、上品な美しさでした。
「新」といっても、ここが建て始められたのは1513年で、出来上がったのは1733年だそうです。
ということは旧大聖堂はもっと古いということ。
1140年から建て始められ、完成したのは1289年だとのことです。
外に出ることなく、脇のドアを通って旧の方へ階段を下ります。
こちらは新よりは小ぶりで、フレスコ画の飾りがあります。
これはこれで、味があります。
ここの見ものは、15世紀の主祭壇。
53に及ぶパネルがあって、聖母マリアとキリストの生涯が描かれています。
ガイドブックには「こうした形の祭壇としては、イタリア以外では最高」と形容してあります。
この大聖堂にも不細工な母子像が。
実際、彫像を一つ一つよく見ると、笑えるものがけっこうあります。
昔の美的感覚が今と違ったということなのでしょうか。
それから回廊に出て、そこにあるAnaya Chapel というのが重要らしかったので、覗いてみました。
人々が踊っているようなデザインの柵の中に美しいアラバスターの棺がありました。
そもそも、なぜ新旧の大聖堂がくっついているかというと、この町の大学の隆盛で学生数が増え、旧大聖堂だけでは手狭になったから新しいのを建てようと当時の聖職者らの協議で決まったからだとのこと。
古いのを拡張するのではなく、隣接して新しいのを建てたというところが独特ですよね。
なかなか見甲斐のある新旧の大聖堂でした。