モンテスカリオーゾ
[2011年12月]南イタリアの小旅行で丘の上の町、モンテスカリオーゾ…
人口: 約60万人
面積: 9,992平方km
行政区: 2県
イタリアの南部の中央、ブーツ型の半島の土踏まず辺りに位置しており、かつてはルカーニャ(Lucania)とも呼ばれた古い歴史を持つバジリカータ州。
西はポテンツァ県、東はマテーラ県の二県から構成され、州都はポテンツァです。
州のおよそ90%が丘陵、山岳地帯で占められており、南イタリアにも拘わらず寒冷な気候が特徴です。
この地方で最も有名なのは、岩壁に張り付くようにそびえるマテーラの洞窟住居。
一方で、わずかながらイオニア海とティレニア海の美しい海岸線も持つため、海水浴スポットとしても近年国内の人気を呼んでいます。
また自然豊かな環境から生まれる、シンプルで味わい深い郷土料理もバジリカータ州を楽しむポイントの一つです。
グラヴィナ渓谷の斜面に沿って掘られた洞窟住居『サッシ』で有名な街、マテーラ。
小さな家々が谷の斜面の崖にへばりつくように並んでいる様子はまさに圧巻で、世界遺産に登録されているのも納得できます。
その中で、典型的な洞窟教会として知られるサンタ・マリア・デ・イドリス教会と、サッシ群に囲まれながら、洞窟とは別に独立して建てられたサン・ピエトロ・カヴェオーソ教会は重要な観光スポット。
洞窟住居をそのまま利用したホテルもいくつかあり、泊まってみるのも面白い体験です。
古代ローマ以前の文明の遺跡が近年発掘され、注目を集めるバジリカータの州都ポテンツァ。
街の中心部は山の上に広がり、イタリアの中で最も標高が高い場所にある県都・州都として知られています。
中世以降、様々な勢力に支配されたり、地震による壊滅的な被害を受けたりと、翻弄されることの多かった歴史を持ちます。
見どころは、17世紀の大地震のあと再建された大聖堂や、前述した古代ローマ以前の遺跡から発掘された品々が公開されている考古学博物館です。
プーリア州とカラブリア州に挟まれたターラント湾に面している海岸沿いには、それは美しい景色が広がっています。
澄み切った青い海を囲む断崖、波によって作られた洞窟、背後には険しい山々と、素晴らしい景観を楽しむことができます。
夏は交通網の整備により、ローマやナポリなどの主要都市からのアクセスがよくなるので、海水浴を楽しみたい方はぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
マテーラの気候は非常に不規則なことで知られています。
南イタリアに位置しながら、町によっては標高が400m近くあったりもするため、晴れの日でも朝晩は涼しく感じることが多いです。
一方で、標高が高いにも拘わらず夏は30度にまで達する猛暑になることもあります。
そのため、夏季は水分補給と日差し防止、それ以外の季節は朝晩に備えてちょっとしたアウターは必須といえるでしょう。
紀元前8世紀頃からギリシャの文化が伝えられ、当時ルカーニャ(Lucania)と呼ばれていた地域にあたるバジリカータ州。
その他の南部の州がそうであるように、外国勢力により長い間翻弄されてきた歴史を持ちます。
特に表立ってイタリアの歴史に登場することが少なかったのは、バジリカータ州が長年、比較的隔離された地域だったからです。
不安定な天候などによって、観光開発から少々取り残された感がありましたが、長年に渡る政府の投資を受けて、それも少しずつ改善されていきました。
マテーラにある洞窟住居が1993年に世界遺産に登録されたのを機に知名度も上昇し、現在は州全体が活気をみせつつあります。