【2023年6月】イタリアのトスカーナの無名な町を巡る旅、翌日は、泊まっていたチェルタルドから列車で一つ目のカステルフィオレンティーノに行きました。
駅はたった一つ目ですが、列車が間遠で、朝9時20分の次は12時25分。
早いほうに乗りました。
なぜカステルフィオレンティーノかというと、夫がこの町の名を知っていたから、きっと何かあるに違いないと考えたからです。
けれど結果的には、それほど際立った見ものはありませんでした。
人ごみを避けた無名な町の旅なのですが、無名なのにはその理由があるということですね。
カステルフィオレンティーノ駅の脇にある観光案内所のおばさんはとても親切で、いろいろと資料をくれて、よくしゃべりましたが、結局、お薦めは付近の有名な町、ということらしかったです。
一つ学んだのは、期間限定(24年1月8日まで)で、Davide Dall’Osso という人のアートが町中のあちらこちらに置いてあるということ。
確かにこのアートが町を引き立てていました。
この町もトスカーナ地方にありがちな、丘の上に向かって町が広がっているところで、私達はまず、てっぺんを目指しました。
ここに昔、お城があったと言われているそうですが、今は教会があるのみ。
入ってみたら、カトリック教会にしては珍しく簡素な造りです。
そこにあった案内板によると、Pieve dei SS Ippolito de Biagio という名前で、1195年に建てられたとのこと。
その後いったん、バロック様式に建て替えられましたが、1936年の改装で、オリジナルの姿になったのだそうです。
この教会の裏側には紀元1000年前後に建てられた城壁が続いているので、私達はその周りをぐるっと歩いてみました。
トスカーナらしい景色が見渡せたのは良かったのですが、最近のイタリアの改築ブームのせいか、家々が今一つ可愛くなく、良い絵を切り取るのは難しかったです。
この教会への道筋や、裏側にもDavide Dall’Osso さんのアートがいくつか見られました。
その後、その昔、壁の穴からワインを売っていたという、その穴を求めて歩き回りました。
観光案内所のおばさんによると、2か所残っているという話でしたが、1つだけ、ようやく見つけました。
でも、地味~にその形跡があるだけ。
確か、フィレンツェでは、昔の風習を復活させて、穴からワインをグラスで飲ませる店がありました。
ここも、そのくらいやって、町おこしすればいいのに。
町おこしなどしなくても、十分に地元の人々は豊かなのかもしれませんが。
その他の教会や、オラトリオと呼ばれる小礼拝堂なども見どころとして挙がっていましたが、閉まっていました。
旧市街の中心広場、ポポロ広場の教会の日陰に集っていたお爺さんたちの前にも、ウエディングドレスを着て踊っているようなDavide Dall’Osso さんの作品がありました。
お爺さんの一人は「わしは朝の7時からここに来ておる。1時になったら行くさ」と言っていたそうです。
夫の老後の姿でしょうか。