【2019年11月】「スペインのサラゴサにわざわざ行く理由を一つ挙げるとしたら、それはアルハフェリア宮殿でしょう」と私達のガイドブックに書いてあります。
それは是非、行かねば、とアルハフェリア宮殿を最初の目的地に選びました。
ちなみに、アルハフェリアはAljaferia と書きます。
スペイン語に疎い我々は、ホテルのレセプションで「アルジャフェリア」と’フェ’に力点を置いて発音し、通じませんでした。
それを聞いたもう一人の、より賢そうなレセプショニストが「ああ、アルハフェリアね」と’リ’に力点を置いて発音。
外国人客も多いホテルのレセプショニストは、気を利かせることが大切ですね。
バスで行くつもりでしたが、このレセプショニストが「歩いたほうが速いですよ」と行き方を教えてくれたので、歩いていきました。
ヤシの並木の道をまっすぐ歩くだけで、迷うこともなかったのですが、ヤシの木に惑わされてはいけません。
まるで、暖かい気候のようですが、実は冷たい風が吹く寒い日でした。
実際のところ、11月の旅行先としてここを選んだのは、「スペインだから暖かいだろう」という安易な思いだったのですが、寒いのなんのって・・・。
調べてみたら、この時が特別だったわけではなく、サラゴサには冷たい強風が吹くことで有名なのだそうです。
さて、日曜日のこの日、アルハフェリア宮殿には無料で入れました。
夫が念のために切符売り場の人に「今日は無料なんですよね」と確かめたら、「あなただけ、特別よ」と言われたそうです。
夫はおばさんにもてます。
入ってみたら、「ほうっ」と声が出るほどに豪華な宮殿でした。
確かに一見の価値があります。
ガイドブックにあるように、グラナダのアルハンブラやコルドバのメスキータには見劣りがしますが、久しぶりにこういったアラビア風の装飾過多な建築を見たので、感激しました。
パティオから始まり、建物内の主に天井の素晴らしさ。
2001年にユネスコが「アラゴンのムデハル建築」として世界遺産に指定した一連の建物の中でも特に象徴的なムデハル建築として言及されているそうです。
この宮殿はイスラム教徒が統治していた11世紀に建てられたとのこと。
1118年にアルフォンソ1世がサラゴサを征服した後は、宮殿のキリスト教化が進んだとか。
王と王妃の住居としての宮殿はイスラム教の宮殿を基に、1492年ごろに建てられたのだそうです。
現在は、アラゴン州の議会がこの宮殿を使っているようです。
ガイドブックによると、宮殿内を巡るツアーもあるようですが、勝手に歩いた私達は、一度、間違って表に出てきました。
すると、係の人が親切な表情で、乏しい英語のボキャブラリーを駆使して、正しい道順を教えてくれたので、入りなおしました。
おかげで、見落とすところだった一番の見どころの部屋を堪能することができました。