【2013年6月】イタリアのピアチェンツァにあるファルネーゼ宮殿で、ラファエロの「システィーナの聖母」の絵についての展示会が開かれていました。
この絵は下のほうに描かれた、ぼうっとしている天使達で有名ですね。
現在、ドイツのドレスデンにあるこの絵は、もともとピアチェンツァにあったものだそうです。
1512年、当時の法王、ユリウス二世(私が夢中になっている漫画「チェーザレ」でおなじみのジュリアーノ・ローヴェレが法王になったときの名前です)が、フランスとの戦いのときに、ピアチェンツァが法王側に味方したのを感謝して、ここにある聖シスト教会に掲げるためにラファエロに発注したとのこと。
けれど、この町を統治していたファルネーゼ公爵家が1731年に途絶えた後の1754年にドイツへ売られてしまいました。
現在、聖シスト教会には「システィーナの聖母」のコピーがかかっています。
この写真にあるように、展示会では二枚の絵の比較がなされていました。
やっぱりどう見ても、オリジナルのほうがまろやかで良い感じです。
このコピーはドイツに本物が売られる以前、おそらく、フレームがバロック調のものに替えられた1697年ごろに描かれたとみられています。
描いた人は不明ですが、近年の掃除で、絵の左下にGMというサインが見つかったそうです。
聖シスト教会に実物を見に行きましたが、祭壇のおくに掲げてあって、遠目にしかみられませんでした。